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 ―戦後、日本は急速に復興・発展し、今や安全で快適な暮らしを当たり前とするような「先進諸国」への仲間入りを果たした。しかしその過程で、日本人はアスファルトとコンクリートによって大地と隔絶され、かつて農業によって支えられてきた自分たちの国の歴史を忘れてしまいつつあり、農地さえも失おうとしている。

 それでもなお農業と自然、大地を信じ、熱く向き合って来た人々がいた。彼らは日本の在り方、世界の貧困等諸問題に疑問を持ち、世界との関わり方を模索する中、日本の農業技術を用いてアジア諸国に支援の手を差し伸べようとする民間団体「オイスカ」と出会う。「オイスカ」は、農と大地から離れつつある日本の過ちに気づき、農業を本質から立て直すため、日本よりまず食糧に窮し事態の逼迫している近隣諸国から自分たちの理想とする農業を実現させようとしていた。「オイスカ」の一員となった彼らは、様々な問題を抱えた各国現地で多くの困難に見舞われながらも、失敗を恐れず立ち向かっていく。

 

著者:佐草一優

発行:成星出版

発行日:1997/8/8

 

目次

はじめに

第一章 汗は大地と溶け合って 小杉辰雄物語 パキスタン・マレーシア農業開発奮闘記

第二章 緑の風を紡ぐ 見原隆明物語 宮崎とスリランカ・フィリピンで紡ぎ続けた緑の風

第三章 君の瞳は青葉の輝き 渡辺重美物語 フィリピンの農業を育み続けて

第四章 大地と語らう 高宮和三物語 インド・スリランカ・フィリピン・バングラデシュ・タイ・パラオ・マレーシアそして、フィジー、駆け抜けた農業の青春

第五章 僕がここにいる理由 荏原美知勝物語 フィリピン・パラオ・パプアニューギニア自分探しの農業開発

おわりに

 

 

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 こんにちは、国際協力ボランティアの倉本です。先日、オイスカの海外駐在員となられた方々がどのような取り組みをされていたのかを学ぶために、佐草一優さんの著作「地球を耕す」を拝読したので、この場をお借りして少しだけご紹介したいと思います。この本では、60~80年代頃にアジアを中心とした各国へオイスカ開発団員、開発技術員として派遣された5人の方々のエピソードが小説形式で紹介されています。当時の技術開発が進み、かつての農村の姿が薄れはじめていた日本を背景に、それでも大地と農業の可能性を信じ続けた方々が、どのように考え、オイスカと出会い、様々な問題を抱えた各国現地の自然風土を研究し、その国の土地や人々と真剣に向き合ってきたか。その様子は五者五様ではありますが、どのエピソードからも根気強く物事に当たってきた方々の、大きく熱いエネルギーを感じることができます。

 また、第四章で紹介されている、第一回の海外農業技術者の派遣先であるインド(政府にも手をつけられず放置されていた土地)での農業開発の様子にはじまり、第三章に紹介されているフィリピン・ネグロスでの養蚕開始の経緯、第一章のマレーシアでの「子供の森」計画やその他植林事業等々、オイスカの現在に繋がる活動についても、その原点を知ることのできる内容となっており、私自身、当時の各国の様子と共に、今行われている活動やこれから必要とされていることを学ぶにあたっても参考にしたい一冊でした。

 

 この本に取り上げられている「現在」の日本は、私たちが今感じている「現在」とは人によっては大きく違うところがあるかもしれません。また、各国の様子は、もっと変わっているかもしれません。その変化が人によって起こったものだとしたら、この本に紹介されている方々は、ある国や地域にとって当時の「現在」を今の「現在」に変えた方々であるように思います。もし、現在の日本や世界の問題に対して、自分に出来ることをしたい、もしくは見つけたいと思う方がいましたら、ぜひご一読いただければと思います。