2019年1月18日

本部の資料棚から③-2 ―オイスカ関連書籍「マングローブ入門 海に生える緑の森」

  • 本部スタッフ
  •  ②マングローブの生育場所が海水域、水底の不安定な泥土という環境条件もあり、根の形が多様で、いずれも大気中に出ている!

     代表的な根の形いろいろ

    支柱根

    タコ足のような形。この根の形を発達させるのはヤエヤマヒルギ属のみで、空気中に出ている根の表面では光合成を営んでいることが知られている。マングローブと聞いてイメージしやすいのがこの形。

    筍根

     

    細長い筍のように直立して下から上に何本も行列して生えている根。マヤプシキ属やヒルギダマシ属に見られる。

    膝根

    オヒルギ属は全てこの膝根。文字の通り、人が膝を曲げたような形に見えることからそう呼ばれる。オヒルギの幹の根元は短い支柱根で、その何本かが、幹の周囲に張り出し、膝根の形となって持ち上がっている。

    板根

    支柱根の変形版。根ぎわの支柱根が横に伸び、その脊梁の部分が上に生長。それが薄いが質のかたい衝立のような板状になるもの。

     

     以上、基礎の基礎なのにとても奥深いマングローブでした。マングローブの名前の由来も諸説あるそうで、どれもそうかもと思えるものですし、種類もたくさんあって、本書最後の世界のマングローブ植物という章を眺めるだけで面白いです。ヒルギモドキとヒルギダマシという種類があって、どちらもヒルギ属でないばかりか、この二つも全く違う種類のようです。

     

     もし、少しでも面白いかもと思われたらぜひ本書を手にとってみて下さい。少し検索してみるだけでも面白いですよ!

     

    これは本当のヒルギ科の植物。なんだか中学生の理科の授業を思い出します。
    これは本当のヒルギ科の植物。なんだか中学生の理科の授業を思い出します。

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