宮城県大崎市「蕪栗沼」 ~ECO-DRRの知恵を求めてNo.7~

2019年6月24日 ( カテゴリー: ECO-DRR, 本部スタッフのブログ )

海岸林再生プロジェクト担当の吉田です。

宮城県大崎市田尻の日向養豚㈱に従事する3名の技能実習生を定期訪問した後、
そこから車で10分もかからない蕪栗沼【蕪栗沼概要(宮城県HP)】に行きました。
伊豆沼、内沼、化女沼と並び、「蕪栗沼と周辺水田」としてラムサール条約に登録されています。
蕪栗沼はまた、日本のECO-DRR事例として真っ先に取り上げられる存在。
大崎地域の伝統的水管理・水田農業システムは、世界農業遺産、
日本農業遺産にも登録されています。

蕪栗沼。水面が見える場所は少ない。冬鳥マガンの「ねぐら」でも有名

蕪栗沼。水面が見える場所は少ない。冬鳥マガンの「ねぐら」でも有名

去年、マガンや白鳥を見ながら、案内表示通り行っても、「沼はどこ?・・・」という状態。
「大崎耕土」の広大な水田があるばかりで、沼に辿り着く道が分かりませんでした。

今回は、図面上1,000haぐらいの水田を囲む、10m以上の高い堤防を1周して
やっとアプローチ道を発見。(堤防上は管理道なので当然何にも書いてない)

広大な水田。一周してようやく全体像が見えてきた

広大な水田。一周してようやく全体像が見えてきた


ここは水害常襲地帯でした。
通常の大雨レベルでは蕪栗沼で間に合いますが、大水害レベルになった場合は、
高堤防の内側の「水田兼遊水地」に、意図的に溢れさせる構造です。

延々と続く高堤防に囲まれた水田が遊水地

延々と続く高堤防に囲まれた水田が遊水地

向こうの蕪栗沼で溢れたら、ここから手前の水田兼遊水地へ遊水地が4つある

向こうの蕪栗沼で溢れたら、ここから手前の水田兼遊水地へ。遊水地は4つある

 

 

 

 

 

 

 

 

このような広大な遊水地の場所を確保するのはかなり難しい調整だったと思う

このような広大な遊水地の場所を確保するのはかなり難しい調整だったと思う

冠水面積合計58.2ha。ちなみに日本一は渡良瀬川遊水地の約3,300haらしいです。

次回の養豚実習生訪問の時は、オイスカ会員のJA大崎さんや日向養豚の社長から
もっと耳学問したいと考えています。また、宮城や周辺県にはオイスカの内外関係者に見せたい
場所はたくさんあると、勝手に思っています。

 

ところで、話を「ため池」に変えますが、
全国の農業用水用ため池は約16~20万ヵ所、宮城に5,500ヵ所あるそうです。
当然、農業用干害対策になりますが、管理不足のため、地震や豪雨などで破堤し、
人的被害を出す事例が近年知られています。そのうち「防災重点ため池」という
要警戒のものが6万ヵ所あるそうです。海外でも同じことが考えられます。
利用面、良い面ばかりに目が向きがちですが、安全・維持管理面も念頭に
置いて私自身は学ばねばならないと思っています。


*ECO-DRRとは「(森林など)生態系を活用した防災・減災」