2021年9月16日

自然からの脅威に対しては、自然を活かしての解決策が必ずある

  • 海外スタッフ
  • オイスカ内モンゴル阿拉善沙漠生態研究研修センター所長の富樫です

    沙蒿
    沙蒿(さこう)

    日アフガニスタンからの国外脱出で混乱している映像が目に入った。そこには木々もなく混乱した街並みがあった。今、世界中で温暖化や干ばつにより砂漠化が広がっている。日本へ戻ると緑の美しい日本であっても近年、気候変動の影響や高齢化などにより人工林の山が荒れてきているという。山が荒廃すると、陸の問題だけかと思えば、周囲の海も砂漠化(磯焼け)が進んでしまうそうだ。海のミネラル供給源も少なくなり海も荒廃する。荒廃すると魚の住処がなくなり、魚が取れなくなってしまう。

    近年スーパー台風が増えて来ている。とはいえその台風がなくなれば済むという話でもない。もし無くなってしまったら海底の巻き上げが起こらないために、海藻の生育も悪くなるという。地球ではこうした生態系が微妙なバランスで密接に繋がっている。人間社会においても人口が増加するに従い、化石燃料の過剰な使用や自然を無視した開発が横行し、ついには人類のほとんどを巻き込む新型コロナウィルスが広がり、人をやっつけ始めるという禍が起こってしまった。

    砂漠の薬草
    砂漠の薬草

    内モンゴルでは、コロナを防ぐ薬草の栽培を開始したが、自然からの脅威に対しては、自然を活かしての解決策が必ずある。交流が遮断されたことにより、経済的に人と交流ができず、リモートワークなどの社会へとシフトしてしたことにより逆に自然の回復は進んだといわれるが、これからの私たちの生き方について、SDGsの取り組みが世界中で始まった今、改めてこれからの人類の生き方についても整理して考える時期であると思う。

    アーカイブ