森林組合の大ベテランもびっくり。(撮影:2011年5月25日、東松島市)

森林組合の大ベテランもびっくり
(撮影:2011年5月25日、東松島市)

長いブログになります。すみません。
何件も質問が来たので・・・。(汗)

クロマツは根が浅いため、津波で流され、被害を拡大させた」
これまで2年間、この質問(意見?)を何回聞いたことか…….(笑)
特に宮城県では、噂が異常に広まったので、特に耳にしました。
クロマツが悪いのでしょうか?……

我々、2011年5月の初調査、この地域のクロマツの、ある根の特徴に注目しました。

話しは変わりますが、2011年夏、宮城地元誌で「仙台空港周辺は水はけが悪い」
という記事を読みました。
また、出張時に、仙台の古本屋で見つけた古地図を見たら、沿岸部は池だらけ。
2011年秋の台風以降も、全く水はけが悪く、いつまでも干上がらない。
排水路やポンプ場も多い。我が育苗場の井戸も、ほんの2~3mで水に到達。
林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会」の、
「宮城県南部沿岸部は地下水位が高い」という指摘の裏付けは、
この他にもまだまだあります。

余談ですが、名取の定食屋のおかみさんの話では、
かつての仙台空港周辺の田んぼは「深い田んぼ」で、
腰まで入らねばならないから、嫁入りを嫌がられたとか。

クロマツの根 深根性、3mにもなる「直根」が大きな特徴。

クロマツの根 深根性
3mにもなる「直根」が大きな特徴

 

話を元に戻します。
重要なことは、本来、クロマツは他の樹種と比べ、 根がまっすぐ下に伸びる「深根性」であるということ。
これ、疑いありません。

しかし、基本的に根っこは水を吸い上げる訳ですから、地下水位が高ければ 深くまで根を伸ばす必要がなくなるため、クロマツの特徴である太い直根は深根性を活かすことなく、下の写真のように途中で90度曲がってしまいます。

根っこは真横に伸びている。

根っこは真横に伸びている。

 

 

 

 

 

 

 

しかし、かつて造林したときは、盛土などできず、元々の地形の上に
植えたのです。そこに地震があり、液状化や地盤沈下の影響もあったでしょう。
津波が来たわけです。

強く根を張っているわけではないので、津波の力に強烈に抵抗して
「幹折れ」するのでなく、じわりと「倒伏」した状態を多く見ました。

クロマツが悪いのではありません。

このように地下水位が高く、被災地域の海岸林で壊滅的な打撃を受けた約1,100haのうちの
多くを占める宮城南部では、国が直轄事業として、とくにクロマツの深根性を活かすための
「盛土」を含む工事を行うのが大きな改善策です。

模範となる地形。右の赤い車と、地盤の高さを比べてください。(北釜地区)

模範となる地形。
右の赤い車と、地盤の高さを比べてください。(北釜地区)

 

名取市下増田北釜地区(仙台空港真東)にも、その模範となる地形とともに 生き残り、今もなお役割を果たすクロマツ林がわずかに残っています。
我々、2011年5月の初踏査2日目、クロマツ、広葉樹ともに、「微地形」という わずかな高低差で生死を分けたことを結論付け、 その後も、林野庁「東日本大震災に係る海岸防災林の再生に関する検討会」の議論の方向や、最終的な国の方針に間違いないと自分たちなりに判断しました。

2013年6月
« 5月   7月 »
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
30  
月別アーカイブ

ページトップへ