このブログでも何度か紹介している
太田猛彦先生の『森林飽和』の編集を担当した
NHK出版の倉園さんに寄稿をお願いしたところ
「さすが!」と思うものが送られてきました。
今日、明日と2回に分けてご紹介します。

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「山」と聞いて緑に覆われた山を思い浮かべた人。
子どものころ画用紙に「山」を描いて緑色に塗った人。
あなた方は「現代人」です。
なぜか?
100年前、人が思い浮かべる「山」の色は茶色だったからです。

本書の口絵を見ればわかります。
これがほんの100年前までの「山」の姿。
なぜか?
すべての木は切られ、草は刈り取られていたからです。

人は木や草を使わなくなった。
その結果、山は緑に覆われた。
それだけなら、問題はなかったのです。

何が起きたのか。
山から遠く離れた海辺で、砂浜がなくなり始めたのです。

山の木と海辺の砂と、なんの関係があるのか。
そう思った方は本書37ページの図を見てください。
立ち読みでも分かります。
風が吹いて本当に桶屋がもうかる仕組みです。

人が木を使わなくなった→OK。
だから山に緑が増えた→OK。
だから砂浜が減った→??

砂浜は減るのは上流のダムのせいだ、
いやコンクリートに使おうと取りつくしたせいだ、
いやいや浜辺のテトラポッドのせいだ、
いやいやいや温暖化で海流が変わったせいだ。
いろいろ言われます。
でもたぶん本当の理由は「山に木が増えたから」です。

砂浜が減った理由は、
サル、シカ、イノシシ、クマが増えた理由と同じです。
大まかに言えば、花粉症が減らない理由とも同じです。
いったい、いまの日本で何が起きているのか。

本書を読むと、未だかつて経験したことのない時代に
私たちが入っていることを実感します。
それは本書218ページの図でわかります。
立ち読みでもわかります。

でも、できれば、買って読んでみてください。
「原生林」のはずの白神山地から大量に木が切り出されている図とか、
今でこそ多摩の水源林だけどマツの木が一本しかなかった時代の写真とか、
これらは立ち読みでわかるとしても、
「自然豊かな里山が失われつつある」
「大雨による土砂災害が増えている」
「森林は渇水をふせぐ」
「針葉樹の人工林より広葉樹の天然林の方が水をためる」
のような思い込みを、
全部ひっくり返すためには、
この本をお手元に置いて欲しいと思うのです。
(図書館でも借りられているようなので!)

編集担当である私にとっても意外なスピードで版を重ねて、
いま第5刷となりました。読んでくださった方、ありがとうございます。

読売新聞で畠山重篤さんが書評を、
朝日新聞で高村薫さんが紹介をしてくださり、
日経新聞、北海道新聞、意外なところでは
俳人・宇多喜代子先生が取り上げてくださいました。
刊行から1年半、じわじわと広がりつづけているようです。
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ここまでは、『森林飽和』の魅力ですが、
明日はオイスカの魅力?を語ってくれます!!

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