①に続いて大友祐一郎さんのインタビューです。
≪クロマツの芽が出た時の嬉しさ≫
再生の会で活動をしてから足掛け3年。
労働作業としては、農業とあまり変わらない感じで、特に戸惑いはなかったです。
種を撒いてから芽が出たときは何とも言えない感動ですね。
実は海岸林の効用なんていうのも、
オイスカの吉田さんから聞いて、今回初めて知ったんです。
名取の海岸林の植林の歴史も全く知りませんでした。
海岸林をなくして初めて海岸林のありがたさが分かったんです。
これまでは「あって当たり前」だった。
昔は、ストーブの燃料するのに、松傘を取りに行ったりもしました。
夏は海水浴に行ってマツ林で休んだりする遊び場でした。
でも、大人になってからは、せいぜい秋にキノコ採りに入るぐらい。
アミタケだの、ロクショウハッタケ、キンタケ……いっぱい取れましたね。
マツ林の中に「愛林の碑」が立っていることも知ってましたが、興味を持ったこともなかった。
≪震災後の農業収入≫
畑でつくる小松菜は、だんだん収益が上がるようになってきて、
今は震災前の7、8割ぐらいの収入になりつつありますが、
田んぼは、農機具が水没して電気系統がだめになり、使用できなかったし、
田んぼの片付けのあとの区画整理が進まなかったため、作業ができませんでしたが、
何とか来年あたりに田植ができるのではないかというところまで来ました。
農機具はもう新規には買えません。
新たに買うとなると2~3000万円かかりますから、とてもとても……。
≪海岸林の再生の現状と未来≫
農作業と労働は変わらないと言ったけど、
小松菜や野菜と違ってクロマツの成長には時間がかかりますよ。
ぼくは今66歳。
今植林をしているマツが、元のマツ林のようにたくましくなるのを見届けることはできないでしょう。
このプロジェクトは10年掛けるわけだけど、
一番心配なのは、若い人たちがこの活動に関心を持ってくれるのかということです。
「再生の会」から「マツ林を守る会」のような管理をする団体が早く組織されて、
若い人たちが後継者となっていってくれたら、一層展望が開けると思うんだけれどね。
この間、地元の農業高校の生徒たちがボランティアに参加してくれたけれど、
ああいう姿を見ると少し安心はしますね。

元気に育っているマツとともに…。

元気に育っているマツとともに

インタビュー文責:徳田祐子(オイスカ本部ボランティア)
インタビュー日:平成26年7月25日

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