連載の最終回にします。
ノンビリ書いているうちに2月になってしまいました。
宮城県石巻市では、暖冬の影響で、例年より1か月早く梅が咲いたそうです。
現場の速い動き出しも覚悟しつつ、春の寒の戻りも頭に入れつつ。

昨年8月から、普段の力を一部割いて「海岸林の将来と地域のビジョン形成調査」を少し
前進させたので、個人的な意見も含め、アウトプットしようとブログに書きました。
これからじっくり時間をかけ、多くの人と話し合いつつ、官民協働の成果にしたいです。

名取市は全国住みやすい街ランキングで第4位。東北では第1位という報道がありました。
しかし、繰り返し申し上げていますが、被災地の海沿い、波打ち際から幅数kmは農地・産業用地、
公園・スポーツ施設など公共施設は立つものの、人は住めない居住禁止区域ができます。
海沿いの賑わいはほんとうに取り戻せるのか、創造的復興は実現するのか不安にもなります。

仙台空港は民営化第1号。30年後には現在の倍の600万人利用を目指すと先週報じられました。
商業施設も充実し、東北から世界に向けた物流の一大拠点として、さらに魅力を増し、
海沿いのにぎわい創出の有力な拠点となるでしょう。
先日、閖上の漁港に水揚げされる赤貝を見る機会がありましたが、漁業・水産加工の復活も
少しづつ前進しています。

震災前の空港と貞山運河と海岸林

震災前の空港と貞山運河と海岸林

空港の北側では、TPP対応の農地整備が進んでいます。昭和40年代の木材自由化により、
外材輸入が一気に進み、国内林業が廃れた状況と同じことが農林水産業全般で起こらぬよう
大区画化、法人化、グループ化、機械化、大規模化が進み、若者の雇用も少しずつ進んで
いるように見えます。あくまでも名取の一部ですが。一法人で水田200haの取り扱いを目指す
法人もあります。

もう十分復興したのではないかと言うムードを被災地以外では感じますが、現場の立場から
言えば、これからが再建への本番です。

連載の最後は、「名取市地方創生総合戦略」「名取市沿岸活性化ビジョン」なども参考に、
「人の流れがどうなるか」という視点から、希望を込めて予想してみたいと思います。

●沿岸域の人の流れはどうなるだろうか?
*自動車
・第2次防御ラインのかさ上げ道路が、空港北側、東側を通り、物流の重要インフラにもなる。
・高速道路の名取スマートICなど、空港インフラがさらに整備される。
・閖上には慰霊碑や、水産加工場、朝市、防災ステーション、スポーツ公園など、人が集う
拠点化されるでしょう。

*電車⇒歩く
・環境省「みちのくしおかぜトレイル」(全長700km)が、海岸林の真ん中を通る可能性がある。
トレイルステーション、道標、休憩小屋、トイレも整備され、空港駅を拠点にして千年希望の丘や、
閖上港への日帰りウォーキング客が増える。蔵王連峰と海岸林と空港のビューポイントを
見ながら飛行機の真下の防潮堤も歩ける。トレイルが盛んな外国からも来るだろう。

*自転車
・宿泊も可能な名取市サイクルスポーツセンターが閖上にできる。全長4kmのサイクリング
ロードコースは、2016・2017年に植える場所の真ん中を通り、松原にもサイクリング客が
増えるだろう。ボランティアも風呂に入り、宿泊もでき、草刈りも自転車に乗って?
・サイクリングロードでは、毎年9月「8時間耐久ままちゃりレース」が復活。我々は草刈り
しながら、それを応援。それとも、チームとして出場?

*飛行機
・LCCや国際線が増便されると思う。国際線はまずタイ国際航空が復活するのではないか。
外国人観光客を増やす流れは進むだろう。空港から歩いて行ける被災地は、外国人も
見たいかもしれない。海岸林にも外国語による説明はもっと必要になる。
「火気厳禁」「地震が来たらすぐ逃げろ」など中国語でも書かねばならないか。

*商業施設
・「仙台国際空港㈱」の主軸である東急グループのホテルが空港内にできるのではないか。
仙台空港アクセス線の鉄道沿線活性化策は、それこそ東急グループが本領発揮。
・拡幅された貞山運河に船着き場ができて休日は閖上~空港~岩沼南部への貞山運河
遊覧船ができたらイイなあ~
・かさ上げ道路が完成した後は、大型トラックの運転手ターゲットの、大きな駐車場がある
食堂ができるとイイなあ~。野菜直売所や釣具屋もできるかもしれないなあ。

震災前名取市航空写真

震災前名取市航空写真

●海岸林の防災以外の価値

多くの方がふらりと訪れる憩いの場でもあり、遠足や学習で子どもたちが来られる場であって
ほしいと心から思います。きっと四季折々、多くの生き物を見ることもできるはずです。
海岸林の価値は防災だけではありません。観光や商業振興面の価値もあると考えています。
かつて戦争の惨禍から立ち上がったように、多くの方のチカラで震災から復旧した真の証し
でもあります。再生の会は2020年に「平成の愛林碑を立てる」と意気込んで積立しています。
それとともに、地盤沈下した湿地の真ん中にある昭和32年の「愛林碑」を救出して、一緒に
並べたいとも考えています。歴史をイメージできる場にもしたいです。

この5年、全国のさまざまな海岸林も見てきました。
人知れず、地域を守る機能を果たし続けているのに、何処に行っても見向きもされていない
きわめてマイナーな扱いをされている印象を持っています。
以上、縷々連載したように、名取の海岸林は全国の人々への格好の啓発の場でもあり、
それを活かすことは全国の海岸林の存在意義を知らしめる場でもあります。

また、これからは、「南海トラフへ対策へのモデル」にもならねばと思っています。

連載おわり

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