長い間助成金をいただいてきた「三井物産環境基金」の報告書の素材集めの必要があり、
広葉樹の開葉確認として毎木調査(1本1本すべて確認)をしました。
生育確認には時期が早く、生長調査というほど生長していませんが、
毎年楽しみな調査です。広葉樹に見向きもしない地元農家の皆さんからは、
「まったく」相手にしてもらえず、「吉田君の趣味」ぐらいに言われてしまうのですが。
育苗場の散水・消毒などは、頼まなくてもやってもらえるようになりました(笑)
初植栽から2年。
春植えは惨憺たる結果。生育3割、7割枯損が平均値。
しかし、秋の植栽(補植)の生存率が高いことが明らかになりました。
高木類の樹種は、明らかにヤマザクラ類、ウワミズザクラ、オオシマザクラの生育が良い。
つづいてケヤキ。コナラ、クリは推奨樹種とは言えないかもしれない。
2年間での植栽本数は約800本。クロマツは135,000本。
これ以上新植はしません。今年秋に最後の補植をします。

萌芽更新を繰り返している

萌芽更新を繰り返すだけ


現時点での開葉は60%。未開葉・枯損は40%。開葉はもう少し増えるでしょう。
ですが、これから葉をつけるものもあるものの、過去2年は開葉後、乾燥で激しく枯れました。
2015年春の補植は、とくに完璧を期したにもかかわらず。泣くほど枯れました。
とにかく、上方生長が乏しく、先端部が枯れてゆく。病虫害ではないです。
いつまでたっても上に伸びず、根元もまったく太らない。
根元からの萌芽更新を繰り返すだけ。
また、他団体の広葉樹では、すでに葉が枯れているのも見ました。
原因は山ほどあります。
予想される結果は、2011年に他団体が行ったデモンストレーション植栽ですでに解かっていました。
しかし、実践版「宮城県南部海岸林再生マニュアル」作成を義務ぐらいに思っている
私たちとして、広葉樹不適地であったとしても、また、たとえ全体の中ではわずかであっても
取り組むことを決めました。多数の植栽は高コストであることも分かっていました。
コスト面から考えても、荒野となった場所への広葉樹植栽が何を意味するのか、
少なくとも私たちは、深く理解しています。
今期は追肥の時期を早めにしようと思っています。5月中旬に化学総連70名の手で。
ですから、除草もまだまだ必要です。
天候を見ながら、遅くとも10月中旬までには、「最後」の補植をします。
育苗場には、皇居から林野庁を通じて提供され、育ててきたエノキ45本、スダジイ11本、
アカガシ5本、タブノキ1本を含む、補植用苗271本が残っていますから。
連休明け、クロマツが一段落したら、再生の会がまとめてお世話をしてくれます。
そもそも広葉樹を植える意味として、民有地の畑と海岸林との間の国有林幅30mに
生物多様性保護のゾーンができ、もとの地盤と植生が維持されました。
私たちのクロマツ林との間に、僅かであっても従来あった広葉樹を人の手で育てれば、
保護ゾーンの趣旨に沿って回復を早め、最も内陸部の海岸林には亜高木層として
その広葉樹が侵入しやすいと考えましたので。
最南端の内陸部に植えられた広葉樹

最南端の内陸部に植えられた広葉樹

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