1月10日・11日、秋田県能代市をコーズ・アクションの菅文彦代表とともに訪ね、
「風の松原」の関係者から官民連携の姿について、たくさんお話を伺いました。
東北森林管理局、米代西部森林管理署、秋田県山本地域振興局、能代市役所、
秋田県立大学木材高度加工研究所、風の松原の再生と共に歩む会の皆さんには
大変お世話になりました。
年末からの雪、大荒れの予報に警戒しながらでしたが、ほとんど影響を受けることなく、
今回は林内実踏は目的ではなかったので、ひどい思いをすることなく、
いまは仙台に戻る秋田新幹線の車中です。
●「風の松原」(全長14km、759ha)の概要
所有:国:342ha、県:272ha、その他民有林(市有林・財産区等):145ha
   *米代川を挟み、北側:八峰町からの峰浜海岸、南側:風の松原759haなどと合わせ、地域全体では1,000ha以上、日本最大規模の海岸林群です。
樹齢:およそ30~50年生。一部160年生。
林内を歩く・走るなど「利用する市民が多い」ことも特徴です。
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●私なりに整理した「近年の主な官民連携史」
1978年:能代青年会議所が林内のゴミ拾い開始。1日で50t回収。
    「クリーンアップ作戦」は今も継続中。ほぼゴミなし。ゴミを探す方が難しいそうです。
1980年:国有林(飛砂防備保安林)の多くを「保健」保安林に重複指定。
1987~96年:市「整備事業」開始。
    ・10年で1.2億円計上。
    ・四阿、案内板、トイレ、ベンチ、アスレチック、水飲み場、ランニングコースなど設置。
1999年:松くい虫確認(2002年~被害急増し、いまは減少)
2003年:「風の松原に守られる人々の会」(2001年設立)県有林にて補助金獲得、樹幹注入など実施
2004年:松くい虫対策の初の住民説明会(官民が共通認識を持って対応する目的)
   :「ボランティア大会」開始
    ・事務局:風の松原ボランティア協議会⇒現在の事務局は「風の松原の再生と共に歩む会」
    ・15年継続中、700人前後参加、毎年200tに迫る規模の落枝拾い)
2009年:能代市「風の松原保護検討協議会」設置
    ・1年間7回開催、国・県はオブザーバー参加。5項目を提案。
     ①発揮すべき機能を重視したゾーンニングの設定
     ②風の松原の歴史的背景と文化的意義の啓蒙
     ③「白砂青松を感じられるエリア」の設定
     ④国・県・市・市民の役割分担の明瞭化
     ⑤国・県・市・市民の連携強化
2010年:能代市「風の松原連絡協議会」設置
    ・会長:県立大学髙田教授。11回開催し解散。
    ・連絡協議会の機能を集約する形で「共に歩む会」の設立を提案
2011年:風の松原300年祭
2014年?:「風の松原の再生と共に歩む会」設立(会長:能代商工会議所 佐藤元副会頭)
    ・4月中旬のボランティア大会運営(歩道沿いなど広範囲で約200t近い落枝拾い、14回目の去年は
     750名参加)を継続中。
    ・事務局は能代青年会議所内
    :「ふれあいの森」協定締結(国有林2ha)
    ・国・市・秋田県立大学木材高度加工研究所・共に歩む会
    ・国有林2haの整備(下草刈りを森林組合に委託、12月落枝拾い)
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あまりにも簡単で恐縮ですが、印象をまとめると、
・多様な価値観の中、今の姿にまとまるまで、推察通り、長年にわたる大変なご苦労があった。
・民間側に人を束ねられる「よき親分」や、体を張って議論をまとめられる「リーダー」がいた。
・目指すべき森の姿(国有林:「管理経営の指針」)が明瞭。
・飛砂防備保安林に加えて保健保安林を重複指定している意味は大きい。
・国・県・市・民間の風通しが非常に良いように感じた。
・能代市役所に林業木材の担当課があり、職員が4人もいることに驚いた。
・大量の落枝、伐採木などはバイオマス発電で焼却処分する「出口」に恵まれている。
今日は名取事務所で、Post2020に関する会議をします。
たたき台のたたき台を、佐々木統括、清藤参事、アドバイザーの小林さん、菅さんとともに
チームでまとめる作業に入ります。
荷が重いけど、みんながいるから何とかなるさ。

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