子どもの日に寄せて ~なんで早く植えなきゃならないの?~

2015年5月2日( カテゴリー: 現場レポート )

平均一日304本/人。最高で「550本」植えた人もいます。
実質的な実働6時間。1本を何分で植えるのか。
デスクワーク族から見れば「化け物」の世界です。
今年は「ひと鍬植えはダメ。最低5鍬」と佐々木統括は指示しました。
大きく振るった次は、姿勢が少し低くなり、鍬を短く持ち、
穴の中の土を数回刻む姿が目につくようになりました。これが「丁寧植え」。

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「連休前に約束の5.37haは、ぜんぶ終わったぜ!」(4月28日)


今年度の工区の植付条件は抜群に良くなりました。
遅い人(初心者3人)はかわいそうなぐらい遅く、50mも置き去りにされ、程々のところで回収される繰り返し。林業労働者が本気出すとこうなります。
若い親方は昼寝後の寝ぼけ眼でも「初日の遅れを取り戻す」と言ってました。
ところで、なぜ一日でそんなにたくさん植えなければならないのでしょうか?
苗の気持ちになると…
(苗床で3月彼岸前)春の気配だ。。
・まだ少し寒いけど、そろそろ起きる時間だ。
・目覚めたら、なんだかお腹がすいてきたなあ。
(4月)暖かくなってきたし、すこしお腹も満ちたから、そろそろ根も穂も伸ばそうか。
・根も穂も伸びちゃうまでに、苗床から僕の生きる場所に連れて行ってね。
・やっぱり、エネルギーを使って、根をグンと伸ばすのは新しい場所だよね。
山の男はやさしいんです。
化け物一派は、右脳が発達しています。理屈抜きでわかってます。
苗床の保育園から、小学校に入学するんだ。
丁寧な仕事して、学校になじめるようにしてやらなくちゃ。
一方、保育園の先生(再生の会のおんちゃんたち)
「おんちゃん、おばちゃんたちは、連休前に約束の種蒔き9万粒、ぜんぶ終わったよ」(4月28日)

「おんちゃん、おばちゃんたちは、連休前に約束の種蒔き9万粒、ぜんぶ終わったよ」(4月28日)


春の気配を感じたら、もう旅立ちの日。
卒業式前の先生の最後の仕事は、ちょっと根を切ってあげること。
君が強く生きてゆくために、すこし痛いだろうけど、ちょっと根を切るね。
なんで切るかわかるかな? 君、切られたらどうする?
生きてゆくために頑張ってもっと根を出そうとするよね。
山のおんちゃんたちも、根が整えられてると、植えやすいんだ。
海岸の小学校は、厳しい社会だけど、君たちクロマツは強いんだ。
ボランティアのおんちゃん、おばちゃんたちも、みんなで応援するからよ。
【番外】
うちの保育園の方針は「ひょろひょろ大きくなるな。背は高くなくても太く育て」。
あと、2年で卒業だよ。留年してほしくないんだよね。
「あと半年留年させてほしい」ってのはナトリの方針じゃないんだ。
去年、試しに秋卒業コースを実験してみたけど、春の卒業生と違って、伸びないんだよ。
やっぱり、すくすく伸びるのは春なのかなあ。こちらもいろいろ勉強だよね。

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