マツの花粉は結婚相手をどのように見つけるの?

2020年4月27日( カテゴリー: 本部発, 清藤先生の視点 )

海岸林担当の鈴木です。

ご近所の家のジャスミンがとても芳しい香を放っていました。
1週間前には固いつぼみだったのですが、淡いピンクの花を咲かせ、心を和ませてくれました。

 

ジャスミン

ジャスミン

先日、NHKラジオの「子ども科学電話相談」を聞いていたところ、
「花はどうしてきれいな色をしているの?」
という男の子からの質問がありました。
改めて、「どうしてきれいな色をしているの?」と言われて考えた答えは
「人の目を楽しませるため」と思ったのですが、植物学的には、

「きれいな色をしていることで、虫に見つけてもらいやすくなり、花粉を運んでもらうため」

植物専門の先生がそう回答していました。子孫を残すためなのですね。一方で、ブタクサなど緑色で目立たない花は風で花粉を運んでもらうため、目立つ色でなくていいのだそうです。

では、クロマツはどうだろう?

在宅勤務で名取のクロマツの写真がなく、近所で撮りました。

いま頃、名取でも頂芽が伸び始め、こんな風になっているでしょう。在宅勤務で名取のクロマツの写真がなく、近所で撮りました。


風で運んでもらっているのかな?
風で運んでもらっているならば、雌花は頂芽のてっぺんについていて、雄花は離れた下の方についているのはなぜだろう?
雄花が上にあった方が飛びやすいのではないだろうか・・・??

ネットの画像をお借りしました

ネットの画像をお借りしました


手前が雌花。下の茶色が雄花。ネットの写真より。

手前が雌花。下の茶色が雄花。ネットの写真より。

緑化技術顧問の清藤先生に伺ってみよう!すぐにお返事くださいました。

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「樹木はほとんど風です。風を利用して花粉を飛ばし受粉受精しています。マツの花粉は2つの羽根(花粉胞)を持っていて、かなりの距離を稼いで受粉します。なぜ雌花が上で、下に雄花か、その理由は、自家受粉による自家不稔を防ぐためです。花粉の落下で受粉しないように。樹木はほとんど他家受粉、すなわち他の花粉をもらって受精して種子をつくります。
もちろん、自家受精でごくわずか種子も出来る場合がありますが、中身のない種子、発芽して枯れる、以上な形態の苗・樹木ができます。マツは99%が他家受精で子どもをつくっています。ですから、樹木は自由恋愛をかなり謳歌している植物ということで、貞淑なカップルの植物ではありませんね。ちなみに、男知らずの植物もあるのですよ。セイヨウタンポポ、ドクダミなどは処女生殖です。でも、日本のカントウタンポポなどは虫媒で他家受粉させてもらってゴールインです。
紹介お見合い結婚ですね。」

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おぉ!
マツは自由恋愛をかなり謳歌している植物なのか!!
こんな見方をしたことがなかったので、かなり新鮮でおもしろいです。

樹木がほとんど風で花粉を飛ばすということは、風の強い海岸沿いに植えられるということは、マツが子孫を残すという意味ではかなりプラスということになるのでは?6月ごろになると、あの海岸林の一帯は、結婚相手を探してさまよう花粉だらけなのか~

マツオタクには程遠いなぁと改めて思います。

雌花

雌花


ネットの写真より

ネットの写真より

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