「クロマツの生育不良を引き起こす原因の解明」に取り組みます② ~都立大学大学院の梶原君が研究開始~

こんにちは!東京都立大学の梶原です。早速ですが、今回は今私がやっていることについて少し具体的にお話したいと思います。
さて、前回のブログで申し上げた通り、私の最終目標は「クロマツの生育不良の原因を明らかにすること」です。しかし、研究を行うにあたり、いきなり原因の解明をすることは出来ません。まずはどこのクロマツの生育がどのくらい良いのか、どのくらい悪いのか…。全てのクロマツを見たうえで、それをはっきりと明らかにしなければなりません。ひとまずは、それが私の今年度の課題になるかと思います。
しかし何と言ったって37万本。名取市の海岸林は流石の規模です。1本1本自力で計測していると、それだけで大学生活が終わってしまいます。何か良い方法は無いものか…。
そこで、役に立ちそうな機器を見つけました。その名を「OWL」といいます(先日のブログでも紹介されてましたね)。最近の技術というのは凄いもので、このOWL、沢山の赤外線を放射して、それらが反射して戻ってきたものから樹木の高さや胸高直径、材積量などを計算してくれます。しかも、それらを立体的な地図にしてくれるので、パソコンの中で名取の海岸林が再現できてしまいます。先日ブログでとりあげていただいた際は、このOWLを使用してクロマツのデータを集めているところでした。
OWL解析画面
【説明:OWLの解析画面。クロマツだけでなく、防風柵の形までくっきりと再現出来ていることがわかります。】
ちなみに、これを使うと大体1時間くらいで500本以上のクロマツのデータを得ることができます。便利ですね。しかし、これを使っても全てのクロマツを把握するには単純計算で740時間かかります。大分作業時間が短縮されたとはいえ、どうやら1日8時間作業しても、92日かかるようです。研究期間が2年間かつ東京在住の学生にはなかなか厳しい作業量。はてさて、どうしようか…。
ここで実はもう1つ、お試しで取得しているデータがあります。簡単に説明してしまえば、OWLを用いて横からクロマツのデータを取得したように、似たようなデータを上からも取得してみよう、と試みています。もしこの試みがうまく行けば、このもう1つのデータとOWLを組み合わせることによって、37万本全てのクロマツを把握する武器になり得るかもしれません。
結果が待ち遠しい限りですが、こちらに関してはまだ解析が終わっていないため、またの機会にお話しできればと思います!

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