アフリカの記者の取材支援を通じて

2013年7月10日( カテゴリー: お助け隊員の声, 海外との連携・発信 )

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公益財団法人 フォーリン・プレスセンターの福田です。
当センターは、海外メディアの日本での取材活動を支援していますが、
そうした活動の中で、合計37ヵ国、47名の記者が、海岸林再生プロジェクトを取材しています。
2013年6月1日~3日にかけて、「第5回アフリカ開発会議(TICAD V)」が、横浜市で開催されました。
同会議を取材するため、アフリカ地域等の記者5名(英国、ウガンダ、マラウイ、南スーダン、モザンビーク)が
外務省の招聘により訪日し、視察先の一つとして、東日本大震災の被災地である宮城県を訪れ、
海岸林再生プロジェクトを視察取材しました。
視察では、津波で破壊された「名取市海岸林再生の会」会長の鈴木英二氏の自宅跡や
海岸林防波堤工事の様子を高台から 見て回りました。鈴木氏の自宅跡周辺の様子を見て、
記者たちは、「ここに人々が住んでいた家があったとは想像できない」と話し、さらに洪水被害を受けた
モザンビークの記者は、「モザンビークでの洪水被害の様子を彷彿とさせる。一見、日本とは思えない」
とコメントを残しました。
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海岸林再生プロジェクトにかける思いについて「再生の会」の鈴木英二氏、森かづ子氏から話を伺うと、
「 これほどの災害に遭遇しながらも、前向きに力強く立ち向かっていくという気持ちがすばらしい」と
記者たちは話し、思いを形にする人々の意思の強さに感嘆していました。
その後、クロマツの育苗場を視察し、プロジェクトの現状と展望について話を伺い、
さらには草むしりまでお手伝いさせていただきました。
モザンビーク記者と南スーダン記者は手慣れた様子で積極的に参加しており、コツを教えてもらいながら、
まるで過去にも参加したことがあるかの様に、その場に溶け込んでいました。
特に南スーダンの記者はその手際の良さを買われ、 担当者の方から滞在延長のオファーを頂いたほどです。
同国では長く続いた紛争状態の影響などから、支援慣れしてしまった若者の就労への意識改革が課題なのだそう。
同記者は、「年齢に関係なく、これほど高い意識を持ってプロジェクトに取り組む人々は本当に尊敬に値する。
災害と紛争という違いはあるが、モチベーションの高さと笑顔で作業に取り組む人々の様子は広く知られるべき」
とコメントを残しました。
今回の視察取材を通じ、海岸林再生プロジェクトとプロジェクトに関る人々の思いが、
記者たちを介して多くの人に届くことを期待したいと思います。
 
私が初めて同プロジェクトを知り、現地を視察したのは、2011年の10月でした。
プロジェクトの発展・苗の成長状況などについては、吉田課長からのニュースレターで情報を得ていましたが、
実際に訪れてみると、思っていた以上に、大きな変化がありました。
2年前、山積みになっていた瓦礫・流された家の土台は撤去・整備され、
海岸線沿いでは本格的な防波堤建設に向けて工事が行われ、さらには、
育苗場のクロマツが青々しく育っている様など、プロジェクトが多くの人に支えられ、
着々と進行しているということを改めて強く感じました。
現地へ伺う機会は少ないですが、その分、海岸林再生プロジェクトとそこに関る人々の思いを
多くの海外の記者に知ってもらえるよう、微力ながら、今後もお手伝いさせていただければと思います。
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