昨年末、視察対応、取材対応の中で、
週に2度も佐々木一十郎(ささきいそお)名取市長にお時間をいただきました。
その際、市長が静かな口調で話してくださりました。
ひたすらメモしましたので、できるだけ再現したいと思います。

 

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伊達政宗が造成した海岸林に守られて名取市民は生きてきた。
震災で壊滅的な打撃を受けた海岸林に、今も市としては、残念ながら成すすべがない。
(そんなことはありません。一生懸命やっていただいています!)
オイスカは、自分たちだけで完結するのでなく、地元を巻き込んでくれた。
それに市民は応え、自らも立ち上がってくれた人たちがいる。
そこに大きな意味を感じる。
オイスカは市民自ら復興に取り組むきっかけを与えてくれた。
一番大きなプレゼントだと思う。

このプロジェクトは十分な計画、専門家の関与、過去の知見を活かしていることは勿論、
スケジュール通り進めている点、関わっている人たちの命を賭けた姿勢、何より将来の可能性、
私はいつもそのことを感じている。

広大な面積、膨大な仕事量。
しかも10億円という資金も行政をあてにせず、すべて民間の力で。
あまりにも当てにされていないので悔しさすら覚えるぐらいです。
名取市海岸林再生の会も設立してくれた。ありがたい。
そのことに素晴らしさを感じます。
想いのすばらしさは、何物にも代えがたい。

海岸林に対して、全国の多くの人の関心を寄せてもらうきっかけとなった。
本当にありがたい。
日本中に至る所に海岸林があり、日本人はそれに守られてきた歴史がある。
海岸林で津波を防ぐことはできないが、日々の生活が延々と守られてきた。
これからは(地球温暖化の影響で)高潮の恐れもある。

宮城南部沿岸は地下水位が高い。
そこにそのまま植えられていたため、深い根が生育しておらず、
今回の津波ではクロマツは流失し、散乱し、復興の妨げになったのも事実。
林野庁はその反省を活かして、植栽基盤となる盛土を造成している。
仮にまた大きなことがあったとしても……無いほうがいいのだけれども、
その時は必ず、さらに強い減衰効果を発揮すると思う。

しかし、それにしても、土木工事での災害対策をどこまで求められてゆくのだろうか。
そもそも日本は災害リスクの高い国。
日本人は大きな被害を受けてもその都度立ち上がってきた。
何でも行政、何でも行政が守れと言われているような気がする。
自分の命は自分で守るというのが人間ではないでしょうか。
命だけは自分で守ればあとは何とかなるという、日本人の楽天性はどこに行ったのだろうか。
何故こういう風になってしまったのだろうか。
人々も、マスコミも、非常に先鋭化していると思います。
そういう機運が当たり前となってしまっている。
こういうのが日本文化でしょうか。
何があっても生き延びるという気持ちを持つことが大事ではないでしょうか。

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震災復興の陣頭指揮を執る、トップの孤独さは想像を超えるものだと思います。                                   その中で、半年で現場に6度も来てくださる首長さんのもとで、
私は復興の最前線に携われて、心から光栄に思っています。

1月28日(水)市長の講演と、私たちの報告を東京で開催します。
(共催:経済同友会)
詳しくは海岸林HP「インフォメーション」を。
目下、申し込みは堅調です!
http://www.oisca.org/kaiganrin/2333

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