フィリピン・ネグロス養蚕普及プロジェクト 台風被害の養蚕農家が再始動 政府支援による新たな活動の広がりにも期待

2018年8月2日 ( カテゴリー: 海外ニュース )

フィリピンで進むネグロス養蚕普及プロジェクトは、さまざまな支援を受けながら発展を続け、現在では蚕種製造も可能となり、生糸生産、織物づくりまでの一貫した工程が築かれ、国内外から注目を集めています。
西ネグロス州カラトラバ地区では、石灰岩質の土壌が桑栽培に適していることから2010年より養蚕を開始、約40軒の農家が従事していました。繭の生産が軌道に乗りつつあった13年、同地を大型台風が襲い、蚕を飼育する壮蚕所や桑畑が甚大な被害を受けたことにより、大半の農家が休止状態に追い込まれる事態が発生。収入を断たれた農家が、仕事を求めて町に出ることもありましたが、中央政府による台風被害支援の枠組みPRDP(PhilippineRuralDevelopmentProgram/フィリピン地域開発特別プロジェクト)の一環で、被害を受けた養蚕農家16戸に対し、一戸当たり約4万8千ペソ(約10万円)の支援がなされました。支援額の30%は返済の義務があるものの、農家からは「再び養蚕ができる」と喜びの声が聞かれ、オイスカも病気に強い種類の蚕種を配布するなどしてサポート。現在は蚕が順調に育っており、今年は増産が見込まれています。
同地区の農家らの積極的な取り組みが評価され、今年5月、西ネグロス州は新規に養蚕を始めようとする農家一戸当たり10万ペソの支援を決定。

カラトラバちくで養蚕を再開した農家を訪問し、聞き取りを行う渡辺重美バゴ研修センター所長(左)

20戸の農家を支援することが表明されたことを受け、オイスカでは農家を選定し、手続きを進めています。また政府機関であるPTRI(PhilippineTextileResearchInstitute/フィリピン織物研究所)からもプロジェクトで使う機材などの支援が表明されているほか、オイスカが長年培ってきたノウハウを活用し、ミンダナオでも養蚕を普及し、蚕種製造の開発を進めるとの意向が示され、そのための技術研修への協力要請がなされました。農業省のFIDA(FiberIndustryDevelopmentAuthority/繊維産業開発庁)からは、養蚕に力を入れているパナイ島のアクラン州にオイスカがネグロスから派遣している普及指導員が高く評価されるとともに、現在中国から一部輸入しているという生糸を、すべてオイスカの生糸にしたいとの希望が寄せられ、増産が切望されています。
ネグロス養蚕普及プロジェクトは今後も地域的な広がりと、よりよい品質の生糸生産を目指し、現地政府と協力しながら活動を進めていきます。

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