長年の積み重ねが大きな森と信頼を築く
タイにおける各種緑化プロジェクトが
災害に強いふるさとづくりを後押し

2019年3月5日 ( カテゴリー: 海外ニュース )

パボンタオケンチャン村で進むゼンマイの栽培

 

 2018年12月8〜18日、「海岸林再生プロジェクト10ヵ年計画」(以下、海岸林プロジェクト)担当部長の吉田俊通がタイを訪れ、オイスカの活動が進む北部のチェンライ県をはじめ南部のラノーン県など、各地でプロジェクトの視察、調査を行いました。オイスカは、東日本大震災を機にスタートした海岸林プロジェクトのほか、これまで各国で進めてきた緑化事業などを通じ、気候変動に適応した災害に強い森づくりの必要性を痛感しており、今回は、「森林などの生態系を活用した防災・減災」(Eco-DRR)の考えを基本とした新規プロジェクトの立ち上げを念頭に置いた視察、調査となりました。

こうした傾斜地でも飼料用トウモロコシ、陸稲、小豆などを栽培する北部タイの典型的な土地利用の状況

 16年6月からNGO連携無償資金協力(以下、N連)を得て進む「チェンライ県の山岳地帯の貧困層を中心とした対象地域における森林保全・再生と生計向上プロジェクト」(以下、プロジェクト)では、実施各地域の森林の状況に応じ、住民の自立した生活が可能となるよう、養蜂や山菜栽培などに取り組んでいます。

 パボンタオケンチャン村では、森林伐採により村内の約6haの池の水が干上がってしまったため、2001年に電機連合の支援により森林の再生が行われました。現在では植栽された森が成林し、年間を通して池の水は枯れることがなくなり、プロジェクトでは養魚のほか林床でのゼンマイなどの山菜栽培が進み、森を守りながら大幅に収入を上げることが可能となりました。

 対象地は、独自の生活文化を色濃く残す山岳地帯で、外部との接点も少なく、森林や環境保全に関する正しい情報の流入も限られている状況下で、土地の不法占有やモノカルチャー的農業、野焼きと山火事による煙害など数々の問題を抱えていましたが、行政当局が柔軟かつ果敢な政策を打ち出して、改善に向けて動いていることが確認できました。その行政とオイスカとが緊密に連携し合ってプロジェクトは進んでおり、また、本年6月のN連による支援終了後も住民の手で活動を継続していけるよう、その体制づくりにも取り組んでいます。

森林局の専門家の指導を受けながら育苗作業をする参加メンバーら

 このプロジェクトは、「子供の森」計画をはじめ、全国のオイスカ組織や支援企業・団体によって進められてきた森林の再生活動による成果とそうした活動を通じて地域住民と育んできた信頼関係の上に成り立っており、現場を訪れた吉田は、「住民参画と雇用創出、官民連携というオイスカらしさが存分に発揮されている」と感想を述べました。

 引き続き新規案件の形成に向け、各国と調整を進めていきます。

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