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バングラデシュ

1971年、パキスタンからの独立後、各分野での人材育成が急がれたバングラデシュにおいて、オイスカは訪日研修生の受け入れを1974年より始めましたが、祖国のために力を尽くしたいという帰国後の彼らの熱意が愛知県の会員の心を動かし、1981年にダッカ郊外のサバール郡ナラシンプール村に研修センターを設立しました。最貧国といわれた当国も各国の援助でインフラが整いつつありますが、そこで働く人々の人材育成が追いついていません。農業生産は世界でも指折りのものを持っており、マンパワーを機能的に活用する術が求められています。

バングラデシュでの活動は、ダッカ近郊の研修センターでの活動と南部コックスバザール県でのマングローブ植林活動の2つに分けられます。オイスカでは共同生活や規律訓練を通して、社会に出ても通用するような人材育成に努めており、現在は2つのプロジェクトとも研修センターで研修を受けた研修生OBたちによって運営され、順調に成果を上げています。

継続して実施している研修事業もすでに30年近くになり、多くの研修生OBを輩出してきました。研修センターの近隣にはそうしたOBたちの実施するプロジェクト、経営する企業がたくさんあり人材育成が順調に行われてきたことを物語っています。また、マングローブプロジェクトではまさに緑の回廊となりつつある植林地も散見されるようになり、サイクロンなどの自然災害に対する備えとしても役割を果たし始めています。

研修センター開設当時は小さな農村だった付近もすっかり都市化の波にさらされ、10階建ての工場などが隣接するような場所になりました。農業を進めていくには難しい環境になりつつありますが、2006年度に供与された日本政府からの支援により、養鶏・育雛施設を設けて近隣の農民への雛の販売などを行い、成果を上げつつあります。今後は肥育牛事業などを加え、養鶏・育雛などの収益で研修事業を行っていけるよう、更なる研鑽を続けたいと考えています。人材育成施設としての機能が保たれ、より広範囲の要望にこたえていけるよう、研修プログラムの充実も図っていく予定です。

バングラデシュ研修センター

場所: ダッカ県サバール
活動開始年: 1981年2月
受入機関: バングラデシュ総理府NGO局、農業省
活動開始の背景 依然として大規模な貧困層を抱え、貧困削減が最大の課題となっているバングラデシュ。オイスカでは農村開発を第一に捉え、そのためのリーダーとなり得る農村青年の育成こそ重要であるとして、首都ダッカ近郊のサバールに研修センターを設立しました。
活動概要 全国の応募者の中から選考された若い農業後継者たちが、スタッフと寝食を共にしながら完全無農薬有機農法による稲作や野菜栽培、また養鶏、養漁、そして農業機械の操作や修理技術といった多分野にわたった研修に熱心に励んでいます。
近況・今後の方針 最近では自立を目指した取組みとして2005年に日本大使館支援による育雛プロジェクトがスタートし、大きな期待が寄せられています。当面 2ヵ年計画を定めてのオイスカ首都圏支部からの支援にも、心強いものがあります。
前述の養鶏プロジェクトが軌道に乗り地域への雛の販売などが進めば、プロジェクト自体の財政的な自立が進み、より多くの研修を希望する青年を受け入れられるようになるものと期待されています。また、研修センターでの生産物も首都ダッカから1時間以内という立地の良さから販路が拡大できる可能性があり、今後はマーケティングを含め実践を兼ねた研修指導ができると考えています。

チッタゴン・マングローブ植林プロジェクト

場所: コックスバザール県チョコリア
活動開始年: 1992年7月
受入機関: バングラデシュ研修生OB会
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写真レポート
活動開始の背景 ミャンマー国境に近いチョコリア・コックスバザールの海岸線は、かつては豊かなマングローブ林が延々と続いていました。しかし、薪炭材の採取やエビ養殖地の造成によってほとんどのマングローブが消え、後に襲来した大規模なサイクロンによって人々は家族を失い、家畜、農場は甚大な被害を受けました。
1992年、地元出身の研修生 OB の呼びかけに端を発し、海岸線60kmに渡る「緑の防波堤」と称する大規模なマングローブ植林計画がスタートしました。
活動概要 ここでのマングローブ植林活動は苗木を育てるところから始まります。植林地を管理している事務所近くに苗床を設け、オイスカ以外にも植林を希望する地域の人々に配布しています。植林は例年5月から7月の雨の多い時期に実施しますが、地域の住民、学校の生徒、日本からのボランティアなどを集めて行われています。植えた後も、水牛による食害や不法な伐採を防ぐため、見回りは欠かせません。こうして手をかけてきた植林地の木は、10mを超える高さに成長したものも多く見られ、着実な成果を上げています。
近況・今後の方針 日本の労働組合の連合体「UIゼンセン同盟」などの支援を受けながら、既に目標とする面積600haの「緑の防波堤」は完成間近です。今後も、さらに拡大の方向で進んでいます。