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東ティモール

21世紀最初の独立国東ティモール。オイスカでは、1996年に中部メティナロに訪日研修生OBによって初めての研修センターが設置されましたが、その後の混乱から閉鎖に追い込まれました。しかし、農業以外の主立った産業のない当国では、こうした研修施設設立への期待が高く、2002年の独立間もなく、インドネシア時代の国立施設を修繕する形で、そこを拠点に研修事業を再開しました。

首都ディリから西へ程ないリキシャ県に日本政府の無償資金を活用して開設された研修センターでは、農業研修、人材育成活動を中心とし、付近の海岸でのマングローブ植林活動、また東部バウカウでのマングローブ植林活動、人材育成活動などを行っています。

独立間もなくのインフラも整っていない中、政情不安も付きまといますが、農村部に位置する研修センターでは着実に研修活動が続けられています。国に唯一の農業人材育成施設としての注目度は設立当初から非常に高く、グスマン大統領(当時)や政府関係者、国際機関、各国大使館からのミッションを受け入れ、その活動に高い評価を得ています。地域でこれまで活用されてこなかった入手可能な資材を用いての有機農業研修が、研修生OBを通じて徐々に農村に広まりつつあります。またマングローブ植林ではこれまでに2万本を植え、若干の失敗は見られるものの着実に成果が見られるようになっています。

今後も政府や国際機関、各国援助機関など多方面との協調により、要望の多い人材育成活動、緑化活動を推進していきます。これまでは活動が目立たなかった東部でも、マングローブ植林の展開や研修生OBによる研修センターの自主的立ち上げなどを考えています。政情が安定しないなか、思うように事業を実施できない状況もありますが、10年後に効果の出る緩やかな活動を続けていこうと現地のスタッフは考えています。

東ティモール地域開発研修センター

場所: リキシャ県・マウバラ
活動開始年: 2001年2月
受入機関: オイスカ・東ティモール総局
活動開始の背景 2002年5月20日に独立を果した東ティモール。オイスカでは、現在責任者を務めるミランドリンド・グテレスがオイスカ精神に共鳴して訪日研修から帰国した1996年に、メティナロに研修センターを設立して、実習を中心とした農業研修を行っていました。しかし、独立をめぐる混乱から99年には研修の中断を余儀なくされました。
しかし、2002年5月に東ティモールが独立を果たした後、研修生OBの強い要望を受けて、同年リキシャ県に、現在の新たな研修センターを設立しました。現在、全国の青年を対象として国づくり、人づくりのための活動を実施しています。
活動概要 センターにおける研修の第一の目的は、農業技術指導に基づく人材の育成にあります。研修後、地域の指導者になりうる人材の育成を目指し、規律を重んじた研修を、設立以来一貫して行っています。農業研修では、身近な資源を利用した肥料づくりなど自然環境を損なわない循環型農業の技術、生産性向上のための技術などをきめ細かに指導するほか、農業の機械化という将来も見据え、トラクター操作などの研修も実施しています。
センターがもう一つ力を入れているのは養鶏です。東ティモールでは、市場に出ている卵のほとんどが輸入されたものです。鶏を飼っている農家はいるものの自家消費用で、卵の大きさも小さく、輸入卵と比べると商品とするには見劣りがします。そこでセンターでは技術指導を行い、流通に耐えうる養鶏方法を広めています。
近況・今後の方針 政情が不安定な中でも、センターではさまざまな問題を一つ一つ乗り越えて活動を続け、多くの研修生を社会に送り出しました。研修生OBらのその後の活躍や、センターで栽培された野菜の生育の良さ、味の良さが人々の口から口へと伝わって、センターの活動に対する評価も高まっていきました。政府要人を初めとする視察者の数も増え、首都ディリのホテルからは野菜の定期購入の申し込みを受けるまでになっています。
このほか、1996年には「子供の森」計画を開始。現在この活動を核に据えて「ふるさとづくり」を推進するほか、ラモス・ホルタ大統領の下でピース・アンド・デモクラシー・ファンデーションが進めている国境地域での一大植林イベントへの参加など、新たな活動計画に向けた歩みも始まっています。

マングローブ植林プロジェクト

場所: ディリ県、バウカウ県
活動開始年: 2001年8月
受入機関: オイスカ・東ティモール総局
活動開始の背景 かつては豊富なマングローブ林が広がっていた東ティモールの海岸ですが、植民地時代からの過剰な山岳地帯の樹木の伐採による土砂流出、煮炊きをするための薪としての消費などでほとんど姿を消してしまいました。その結果、海岸が波の影響を直接的に受けるようになり、剥き出しになった断崖に張り付くように延びる道路も崩壊寸前のところが多々あります。こうした現状を憂いて、オイスカでは2002年からマングローブ植林を開始しました。
活動概要 2002年の植林開始からこれまで、植林面積としては大きくありませんが10回ほどの植林活動を実施し、オイスカのみならず現地住民、行政、日本大使館、PKO、日本からの参加者など多様な方々の協力により2万本以上の苗木を植林しました。植林地はティモール島北岸の数ヵ所に分かれていて、それぞれの場所でセレモニーやワークショップを開催した上で植林を実施しています。
近況・今後の方針 2007年はユネスコと協力し、研修センターからも程近いディリ近郊のティバール村で植林を実施しました。2008年度は新たな日本からの支援者を得て、東部のバウカウ近郊にて新たなマングローブ植林プロジェクトを開始します。