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タイ

1975年、タイ・ガールガイド協会の要請により東北部スリンにおいて農業技術指導を開始。しかし、伐採などにより森林が失われた土地での農業は難しく、まず基本的な自然環境の回復が先決との考えから植林を開始しました。

「子供の森」計画(CFP)活動、植林や有機農業普及活動のほか、コミュニティフォレストを通じて地域の発展に貢献する活動をタイ全土で行っています。また、南部ではマングローブ植林プロジェクトや過去にはスマトラ沖地震の被害にあったタレーノーク村の復興支援プロジェクトを行ったほか、北部では森づくりを中心としたふるさとづくりプロジェクトとして、地域住民の組織化、植林、環境教育や地域開発を総合的に組み合わせてプロジェクトを実施しています。

タイでは、これまで2253haの土地で植林を行い、188校でCFP活動を行ってきました(2015年3月現在)。今後も、 長年続けてきたCFP活動を更に発展させ、これからの未来を担う若者に対して自然と調和した持続可能な発展を目指す意識を啓発し、リーダーを育成していきます。

北部タイ環境保全プロジェクト(チェンライ)

場所: チェンライ県
活動開始年: 1992年
受入機関: オイスカ・タイ総局
活動開始の背景 北部タイでは森林の違法伐採、無秩序な焼畑による農地転換が原因で土壌の劣化が進み、土砂崩れや洪水などさまざまな自然災害を引き起こす原因になっています。また山火事と焼畑による煙害は大気汚染のみならず地域住民の健康被害にまで及んでます。このためオイスカではチェンライ県にて環境保全プロジェクトを行っています。
活動概要 荒地となった場所で植林を行うと同時に、緑化・環境問題についての啓発活動、また対象地域の村と協力して住民グループを結成し村人に主体的にプロジェクトに関わってもらうことで、環境保全の重要性に対する理解を深めてもらい、自分たちの手で地域の環境を守っていくという意識を持ってもらうような取り組みを行っています。
近況・今後の方針 現在では活動地で山火事が起こった際には村人が率先して消火活動にあたるなど、徐々に環境に対する意識が高まっています。今後は植林とともに、形成された森の環境を活かす形での生計向上プロジェクト等を展開していき、持続可能な環境保全・生計向上のモデルとしてプロジェクトを進展させていく予定です。

東北タイ環境教育プロジェクト

場所: スリン県およびコンケン県
活動開始年: 1975年
受入機関: オイスカ・タイ総局
活動開始の背景 タイ王国スリン県では、かつては70%もあった森林面積が、わずか3%にまで落ち込み、現在ようやく11%までもどってきたところです。森林率の減少と、東北タイ地域特有の厳しい自然環境により、土壌は栄養分を失い、乾期には非常に乾燥した硬い土壌になり、雨期には洪水になってしまいます。タイの象のふるさとであるスリン県では、今でも多くの象が各地に見られますが、象たちの餌さえも不足している状態です。このような土地で環境問題に取り組んでいくには、教育から始める地道な活動が求められます。1980年代から行ってきた植林プロジェクトと同時に、子どもたちへの環境教育を通じて地域を啓発していく環境教育プロジェクトを行っています。
活動概要 主に各学校の生徒を集めて環境キャンプを行い、ネイチャーゲームを活用した参加型環境教育の活動を行っています。また、各学校では有機栽培やハーブ薬品作りなど、それぞれの学校で独自のプロジェクトを行っています。
近況・今後の方針 近年ではCFP参加校の学校内で有機栽培を行い、収穫した野菜を販売したり、給食に出したりしています。この活動は、特に貧しい学生の家族を対象に行われ国王が唱える「足るを知る」農業プロジェクトの実践型として、生活改善をも目的としています。ゴミの分別・リサイクル運動を始め、まだ量は少ないですが再生紙の作成を行っています。2008年には小さな事務所兼センターの建設も行われましたが、活動には手狭になり、スタッフの地元を拠点に活動を展開しています。毎年「農業、芸術、環境祭り」と称して、多くの方が訪れ、活動に参加したり、展示を見に来たりしています。他団体とのネットワークを生かしながら、様々な活動に取り組んでいます。今後は、森づくりを中心としたふるさとづくりの成功例をこの地域でも作り、モデルケースとして展開していきたいと考えています。

中部タイ環境教育プロジェクト

場所: アユタヤ県およびアントン県
活動開始年: 2001年
受入機関: オイスカ・タイ総局
活動開始の背景 東北タイ、北部タイ、南部タイと各地方で活動が進む中、バンコク近郊での活動視察や活動参加を望む声が強く上がってきました。そのため、バンコクから日帰りできるアユタヤ、アントン県、過去にはチャイナット県での活動が開始され、本部からの送金に頼らず、小さなプロジェクトの積み重ねでプロジェクトを運営しています。
活動概要 学校、お寺、博物館などへの植林や、子どもたちへの環境教育。また、日本人グループの訪問受け入れや、バンコクに生活する日本人の子どもたちとタイの子どもたちとの1デーキャンプを実施しています。
近況・今後の方針 2011年のタイでの大洪水でアユタヤは多くの被害を受けました。被害を受けた自然公園などを中心に植林と環境教育、また子どもたちとの交流活動を実施していきます。更に、「子供の森」計画の支援地域に新たに加わり、日本からの支援を得て有機農業やゴミリサイクルなどを中心とした環境教育活動にも力を入れていきます。

マングローブ植林プロジェクト(ラノーン)

場所: ラノーン県
活動開始年: 1999年
受入機関: オイスカ・タイ総局、タイ王国天然資源・環境省海洋・沿岸資源局
活動開始の背景 海と隣り合わせの土地で生活するラノーンの人々にとって、マングローブ林は、自分たちを津波の被害から守ってくれたり、カニやエビなどの恵みをもたらしてくれたりする、とても大切な資源です。そのマングローブ林も養殖場への転換などで伐採が進みましたが、東京海上日動火災保険株式会社からの支援がきっかけとなり、再植林プロジェクトが開始されました。今ではたくさんの企業や団体により活動が展開されています。本プロジェクトにより、人々にマングローブ林を大切にする心が根付くことを期待しています。
活動概要

特に地域住民の意識改革に重点を置いた取り組みをしており、森づくりを通じて地域住民が様々な環境問題に気づき、主体的に取り組んでいくことで持続可能な森林保全へとつながっています。森を再生することが、ひいては自分たちの収入向上や生活改善につながっていることに気づくことで、彼らの取り組む姿勢も変わります。こうしたラノーンでの取り組みは国としても非常に高く評価され、数々の賞を受賞してきました。この形をモデルケースとして、オイスカとしても北部タイや東北タイでの展開も試みています。
また、都市部におけるマングローブ林の再生プロジェクトとしてダンロップチームエナセーブより支援を受けたプロジェクトは、ラノーン県全体としての取り組みへと発展し、ゴミ問題や土地問題の解決をも目指した総合的なプロジェクトになりました。このように、森づくりをきっかけにその地に長年あった多くの社会問題を解決していく糸口を作り出してもいるのです。
こうした活動に賛同し、日本からの企業や団体のみならず、タイ国内の民間企業や団体にも支援の輪が広がり始めており、大きなうねりとなっています。

近況・今後の方針 これまでのような植林を必要としている疎林も比較的再生されてきており、今後は再生された森がどのように再生されたのか調査研究したり、再生された森を生かした活動を実施したり、または全く新しい土地への植林の展開も考えています。今後問題となってくるのは水面の上昇による洪水などです。これに対応するため、海岸線での植林の展開も今後視野に入れながら実施していきます。