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スタッフブログ

新たな製糸機械!

2019年7月19日 ( カテゴリー: 海外スタッフのブログ )

こんにちは、オイスカ・バゴ研修センター駐在員の中川春希です。

既にご存知の方も多いかと思いますが、バゴ研修センターでは、養蚕事業が盛んに行われています。世界の中でも、卵から蚕を育て、繭をつくり、生糸にしてショールなどの製品づくりにするまでの一貫の工程を行っているのはバゴ研修センターのみ。そして、今年1月から日本NGO連携無償資金協力により「ネグロスシルク事業を基盤とする養蚕普及全国展開支援事業」が行われています。今回は、その事業の中のひとつである、新たな製糸機械がタイから到着し、実際に取り付けが行われた様子をレポートしたいと思います。今回の新しい製糸機械は、以前のものより2倍の大きさがありとても貴重なものです。

製糸機械が到着するにあたって、着々と準備が行なわれていました。それは、以前長年使用していた製糸機械の移動とボイラーの修理です。私が赴任した1月末には、既に製糸機械の分解が行われていました。また20年間使用していたボイラーは、新たな修理が必要となり、マニラから届いた183本のパイプ交換・取り付け工事が行なわれました。そして、満を持して先月19日にタイから新たな製糸機械が到着。到着時には研修センターのスタッフ総出でコンテナーから機械を下ろし、作業が進むたびに大きな歓声に包まれました。

ボイラーに新しいパイプを取り付けている様子

ボイラーに新しいパイプを取り付けている様子

製糸機械到着の様子

製糸機械到着の様子

 

 

 

 

 

 

 

また、機械設置に伴いタイ、日本から技術者の方々が来比。約2週間をかけて設置作業に励んで下さりました。言語や文化も異なり、慣れない環境の中だったと思いますが、研修センターのスタッフと協力し、日々懸命に作業に取り組んで下さいました。南南協力という言葉がありますが、フィリピン、タイ、そして日本の協力があったからこそ、今回の製糸機械の設置が実現できているのだと現場にいて、とても感じます。また、今回の製糸機械の設置に伴い、長年バゴ研修センターの養蚕事業をご指導して下さっている、養蚕専門家の先生も日本から駆けつけて下さいました。本当に、周りの方々に支えられてバゴ研修センター、そしてオイスカの活動が行うことができているな、と思います。現在、製糸機械は微調整を行っています。稼働は、もう間もなくです!!

製糸担当スタッフ(左)とタイからの技術者(右)

研修センター製糸担当スタッフ(左)とタイからの技術者(右)

協力して作業を進めます

日本の技術者(左)、研修センタースタッフ(中央)、タイからの技術者(左)。協力して作業を進めます

稼働はもう間もなくです!

全長は13m!

愚直の人

2019年7月17日 ( カテゴリー: 本部スタッフのブログ )

本部・広報室の林です。

月刊「OISCA」7月号の「国際協力の現場から」のコーナーに
以前からずっと登場してもらいたいと思っていた海外スタッフに
寄稿してもらうことができました。

クリックするとPDFファイルが開きます

クリックするとPDFファイルが開きます


彼の名前はダンテ。
フィリピンのネグロスにあるバゴセンターのスタッフです。

私がオイスカ高校に勤務していた時、留学生としてやってきた彼は
あまりしゃべらず、あまり笑わず、ちょっと暗い印象の生徒でした。
決して器用ではなく、日本語の習得にも時間がかかったことが原稿にも
書かれていましたが、周囲は彼の実直な人柄を評価していました。

彼の卒業から7年目、ついに私はバゴセンターを訪ねる機会を得ました。
久しぶりに会った彼は、ちょっとはにかんだだけで握手をかわし
そっけなく、去っていってしまった。ダンテはかわらないなぁ~。
(私との再会がうれしくなかっただけかもしれませんが……泣)

うれしかったのは渡辺所長の彼に対する評価。
「彼がいないとセンターは動きません。事務仕事全般は彼に任せています。
パソコンにも詳しいし、本当に助かる。
彼の“嘘のない仕事”は日本人支援者からも支持されている」
と所長は右腕であるダンテをほめていました。

今回、日本人駐在員の協力を得ながら彼が書いてくれた原稿で
私は、彼があまりしゃべらず、
あまり笑わない青年であることの理由を知りました。

そしてダンテらしいなぁと、うるっとしてしまったのは
「自分のためではなく、支えてくださる方々や、
センターのために、勉強や学生生活を精一杯頑張ろうと
自分自身と約束した」というくだり。
あの時のあなたは、そういう気持ちだったんだね、と
当時、口には出さなかった彼の思いを知ることができ、
この原稿を書いてもらってよかったと心から思いました。

自分自身との約束をすぐ反故にしてしまう心の弱い私にとって
愚直で、心の強い彼は、私よりずっと若いけれど、
目標としたい人のひとりです。


帽子職人の矜持

2019年7月16日 ( カテゴリー: 本部スタッフのブログ )

広報室の林です。
メキシコに出張していた永石事務局長が帰国。
担当者Mが撮影した写真の中に見つけた
大きな赤いソンブレロをかぶった事務局長が
なんともおちゃめで、ブログで紹介したいと思ったのですが
本人の許可が得られず断念……。

そのかわりにご紹介するのが帽子工場の一枚。
機械と工場の雰囲気も印象的なのですが、
おじいさんの佇まいがかっこいい!
いつか月刊「OISCA」の表紙にと思い、
サンプル出力をしてみました。IMG_1102

すると局長がこの時のことを教えてくれました。

ご高齢のおじいさんを心配して、
家族は「仕事をしなくても生活していけるようにするから」と
引退を促しているそう。

でも、おじいさんは材料となる植物を育て、
それを帽子にして世に送り出す循環こそが
自分が地球にできる恩返しだから辞められないと
帽子をつくり続けているのだそう。


IMG_1113
おじいさんにとって帽子づくりは“仕事”や“労働”ではなく
自分が生きていることの証、
あるいは生かされていることへの感謝の形
なのだと思いました。

カッコいいおじいさん!
いつまでもお元気で!!



 

広報室倉本です。

かなりちょっとしたことなのですが、本部事務所では今、屋外の小さな空きスペースを使って野菜の苗を植えて育てています。

研修センターなどとは違い、農業のプロが行うものではないので、これで大丈夫かな?大きく育つかな?と様子をみながらのここ1~2ヵ月でしたが、

\よいしょ~/

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昨日、オクラとトマトがなんとか実りました。

トマトは実は多くつけるものの、なかなか赤くならず、赤くなりはじめても鳥に食べられてしまうのか、無くなっていたりしていたので、これは貴重な一個。

まだ食べてはいないのですが、どんな感じかな~と楽しみです。

事務所での栽培と、実際の農家さんの行う「農業」とは大きく違うものだとは思いますが、こうして野菜が育つ様子を見てみると、研修センターの農業研修生たちが一様に「農業はたのしい!」と笑顔で話すのも分かるような気がします。

子どもも野菜も木もマツも、いのちがすくすく育っていく様子を見られるのは、なんだか幸せな気持ちになりますね。

海岸林再生プロジェクト担当の吉田です。

今年の冬、乾季のフィリピン北部、タイ北部をじっくり歩いてきました。
日本の誰もが想像しないようなレベルの、日常の一光景という数の山火事、
呆然とするほどの広大な燃えたばかりの山火事跡を目に焼き付けてきました。

それとともに、見渡す限りの裸山化した里山、乾季は谷戸田もできない無数の耕地、
農薬で白濁化し、安心して飲める水源が確保できない多くの村々も訪ねました。
オイスカ最大の山地造林、フィリピン・ヌエバビスカヤ州のキラン村の名前は、
日本語に訳すと「水無村」ということも初めて知りました。

そういう中、「子供の森」計画をきっかけにオイスカと出会い、
その次に、オイスカのサポートで政府から小規模規模の造林の許可をとり、
植栽・保育を続けた結果、乾季でも干上がらない安定した農業用ため池に成功し、
林産物、山菜、養魚などで村全体の収入向上に成功した北部タイの山岳民族や、
周囲の里山は裸山化しているのに、自助努力を極めたような50haの造林で、
水源の確保と二期作に成功しているフィリピン北部の山岳民族の村も見ました。

2001年から植え始めた森林を活かし、ゼンマイが安定し、村民共同で得た自己資 金によるゼンマイ田の拡張も始まっていた(タイ・チェンライ県山岳民族のパポ ン村)

2001年から植栽した森林を活かし、ゼンマイを栽培。村民共同で得た自己資金によるゼンマイ田の拡張も行われている(タイ・チェンライ県山岳民族のパポン村)

およそ10年前から、6ha・水深8mのため池の水位安定。養魚収入も大幅向上。 (タイ・チェンライ県山岳民族のパポン村)

およそ10年前から、6ha・水深8mのため池の水位が安定している。養魚収入も大幅に向上した。 (タイ・チェンライ県山岳民族のパポン村)

周囲の村とは違い、1997年の「子供の森」計画開始以降、50haの森林を複層林 化・保育したこの村だけは、手の字型の大きな谷戸田で年2回稲作ができる。 (フィリピン北部指折りの貧困地域のアブラ州山岳民族のビラビラ村)

周囲の村とは違い、1997年の「子供の森」計画開始以降、50haの森林を複層林 化・保育したこの村だけは、手の字型の大きな谷戸田で年2回稲作ができる。 (フィリピン北部指折りの貧困地域のアブラ州山岳民族のビラビラ村)

2014年に「子供の森」計画開始。この場所から細いホースを5㎞引いて、安全な 飲料水を乾季でも学校に供給できるようになった。(タイ・チェンライ県山岳民 族のメーパクレー村)

2014年に「子供の森」計画開始。この場所から細いホースを5㎞引いて、安全な 飲料水を乾季でも学校に供給できるようになった。(タイ・チェンライ県山岳民 族のメーパクレー村)

 

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山麓の微高地を利用した農業用ため池兼プール。1992年からの一大はげ山州にお ける森林造成で成立した果樹栽培収入を活かし、私費で建設された。渇水対策と して、乾季でも安定した水源となっている証明。(フィリピン北部ヌエバビスカ ヤ州キラン村)

日本では、そのような限定的な水源確保のための小規模な森林は、
「干害防備保安林」と位置付けられ、約5万ha、私から見れば無数にあります。
メジャーな存在の「水源涵養保安林」と違い、誰からも振り向かれないながらも、
生活に近い場所で黙々と役目を果たしており、わが名取市の山麓にも1ヵ所あります。

成田市の坂田が池。日本では当たり前にある森林に囲まれた自然公園兼農業用た め池だが、公園化による森林管理というアイデア、「ため池決壊」などの危険性 回避策なども、10月の現地スタッフと研修できれば。

成田市の坂田が池。日本では当たり前にある森林に囲まれた自然公園兼農業用た め池だが、公園化による森林管理というアイデア、「ため池決壊」などの危険性 回避策なども、10月の現地スタッフと研修できれば。

オイスカで進めていきたいEco-DRR(森林など生態系を活用した防災・減災)とは、
発生してしまった災害の復旧というよりも、できるだけ未然に災害を防いでいくことに
力を入れたいと思いますし、災害もさることながら、常態化して諦めてしまっている
「気象害」に対し、知恵と行動で乗り越えようという働きかけです。

「水を吸い上げてしまうから、山には木を植えてはいけないと思っていた」と
フィリピン・タイの山岳民族の村では、今でもそう考える人が多いことも知りました。
実践を重ねてきたオイスカには、相当なアドバンテージがあると思っていますが、
どうしたら、少ない労力、最短の時間で、一定の効果とインパクトを村に与え、
森林への理解、自助努力促進につなげられるか、仲間とともに作戦立案したいと思います。