【インターン】海岸林を守り育てるために
皆さん、こんにちは。インターン生の柴﨑翔吾です。
今回は、1日目はUAゼンセンの皆さんと、2日目は東京海上や鹿島建物の方々とクズ刈り作業を行いました。
この2日間を通じて印象に残っているのは、吉田さんが仰っていた「この海岸林が育ち切った時、私はもういないだろう」という言葉です。現場までのバスの中で、半分笑いを取るような雰囲気で吉田さんは仰っていましたが、ハッとさせられる言葉でした。
海岸林が私たちの手から離れるのは2070年。まだまだ先は長いです。今、中心となって活動しているベテランの方々の背中はとても大きく頼もしいです。そんな今しか自分には見えていませんでしたが、最後まで海岸林を育てるためには今の世代から次の世代へと、この活動を受け継いでいかなければならないのだと、この言葉を通じて気がつきました。


リピーターの方々は、海岸林を育てる活動自体に必要性を感じて長く協力して頂いているというのはもちろんですが、この活動を通じて出会えた他のボランティアの方々と交流できるということがモチベーションのひとつになっているという方も沢山いらっしゃると思います。
自分も初めは海岸林を守り育てるという活動自体に興味を持ちインターンを始めましたが、今は活動の中での沢山の方々との出会いに魅力を感じており、それがひとつの大きなモチベーションになっています。
私たちよりもずっと長い時間をかけて育ってゆく海岸林をこれから先も守って行くために、ここでしか得られない出会いや経験があることを知ってもらい、この活動を個人として支えてくれる若者たちが増えていったら嬉しいです。私もその一部になれたらと思います。
【インターン】インターンの折り返し地点に立って
こんにちは、CSOインターンの柚原です。
9月も下旬となり、仙台は朝夜がかなり涼しく、寒暖差が目立つようになってきました。
そして、ばか(アレチヌスビトハギ)が現場で猛威を振るい、作業着を緑のドット柄に変えられている今日この頃です。

さて、今回は9月29日に実施したウズベキスタンの報告会について報告します。
そして、インターン開始から早3ヶ月経ち、折り返し地点に近づいているということで、これまでとこれからを考えます。
9月29日の報告会は、海岸林リピーターを中心に15名の方が参加してくれました。
雰囲気は緩く聞き手と話しながら‥という風に進めたかったのですが、この日は私自身の説明や場の回し方がかなり下手で、反省多めの報告会だったという印象です。
それはさておき、海岸林リピーターだからこそ?の、いつもとは一味違う現場の深い質問も多く、私自身も学びになりました。


今回少し焦点を当てたかったのが、アラル海の現場と名取海岸林の現場の比較です。
植林する樹種や場所、方法、目的、課題など詳しく見ていくと、実は共通点があったり、全然違ったりと、相違点が見えてきます。
例えば、長期に渡った育林が非常に大事な海岸林に対して、アラル海では苗木活着までが1つ大きな勘所で後は植物の力と遷移に託します。
人という観点では、政府、林野庁との繋がりとプロ、ボランティアという輪が広く深い海岸林に対して、アラル海では政府、林野庁との繋がりはまだ薄く浅く、ボランティアという概念がかなり薄く人が集まらないといった現状が見られます。
海岸林リピーターが多いからこそ、海岸林の姿と比較することで、植林やプロジェクトに関して新たな視点や現状を知って頂けたら嬉しかったです。
そしてまた、国内外様々な場所でプロジェクトを実施しているオイスカにとって、それらを比較して捉えるという視点は非常に重要な1つだと感じました。

さて、インターン開始からの振り返りと今後についてです。
ウズベキスタンの現場で、カウンターパートを含め人との繋がりの薄さ、コミュニケーションや情報共有の不足を痛感してきた私にとって、海岸林では特にそのような人との繋がりが特徴的であると感じました。そこで今回のインターンではボランティアとプロジェクトの関係性に1つ焦点を当てながら関わってきました。
ボランティアとプロジェクトとの関わりは経緯も心持ちも千差万別。震災後初期から活動されている地元の方、飛行機で関西や九州から来る方、名取に移り住んで来た方、会社の社員研修で来られた方‥
彼らが何を考え、プロジェクトとどのような関係性を築いてきたのか、そういった個人的な部分を深掘りすることで、この海岸林プロジェクトを改めて捉え直し、そしてプロジェクトの未来を考えています。
インターン後半戦は、この方向性を基に実際にインターン生として、一ボランティアとして行動に移していきたいと考えております。引き続きよろしくお願い致します。
【インターン】海岸林再生プロジェクトに参加しました!
こんにちは、インターンの渡邊です。
9月19日-20日に名取の海岸林再生プロジェクトのボランティアに参加させていただきました。遅くなりましたが、活動の詳細と私が感じたことを書いていきたいと思います。
仙台に着いたのは9月18日、空港まで吉田部長が迎えに来てくださり、その後海岸林の現場を案内してくださりました。現場に来る前に海岸林のホームページを軽く見ていたものの、なかなか実態を掴むことはできていなかったので、実際に松林を見てかなり驚きました。というのもオイスカの管理している海岸林は幅200 m×5 kmの100ha、津波で被害を受けた海岸林ですが、今では見渡す限りに黒松があるのです。岩手県の「奇跡の1本松」のイメージが強かったのもあるかもしれません。

また、名取といえば震災で津波の被害が大きかったこともあり、海岸林は津波の力を弱めるもの、というイメージが大きかったのですが、津波の威力を下げるという役割は森林の多面的機能の一部であり、海岸林は日常的に潮害、風害、ヤマセからの保護などの役割を果たしているということも知りました。そして、昔から海岸林は存在しており、こうした海岸林の役割を昔の人たちは理解していた、という点に驚きました。今でこそクロマツの様々な性質は科学的に立証されていますが、証拠がなくともその性質を理解し、大事に植え育てていたのです。お隣さんの性格を何となく認識していて仲良くしていた、みたいな感じですね。18日の夕方、堤防から海を眺めました。今は穏やかな海ですが、あの日高さ12mの波が押し寄せ多くの方の命を奪ったことを思うと、とても恐ろしくなりました。そして、この海岸林は東日本大震災の復興そのものであり、海岸林を守り育てていくことが震災へ向き合うということであると感じました。

さて、翌日は住友化学の方とともに活動させていただきました。すでに何度か名取で活動したことがある方から初めて参加された方までいらっしゃいましたが、皆様楽しそうに作業されていました。今回の作業は葛取り。松を覆っている葛を取るために、地面に四つん這いになり、葛の根を探し、切り、そこへ薬剤を掛けました。普段の生活では馴染みのない作業でしたが、私も楽しんで活動することができました。



海岸林を見て印象に残った点として、松の耐塩性を挙げたいと思います。海に近いほど塩の影響を受けるため、木の成長速度や枯れ具合がほかの木と異なっていました。そのような木を犠牲木というようです。塩分濃度が高いと浸透圧で水分が抜けてしまいますが(キュウリの塩をイメージしてください)、なぜクロマツは塩に耐えることができるのでしょうか。液胞に塩分を蓄えることができることが関係しているようですが、、液胞内の水分はなぜ抜けないのでしょうか。クロマツはクチクラ層(ワックス状の層)で覆われており、水分が抜けにくい仕様になっているからでしょうか。それとも、耐塩性の植物は、プロリン、GB、ポリアミンなどの低分子量の浸透圧調節物質を蓄積し塩に耐え、これが膜(膜組織?細胞膜?)の安定化につながるらしいので、これらの浸透圧調製物質が関係しているのでしょうか? 分かりません(T ^ T)
植物のメカニズムは興味があるものの全く知識がないので、勉強してみたいと思います。

今回の活動で葛取りをしたのは100 haの内のほんの一部に過ぎず、海岸林を維持し続けるには、多くの人の手が必要であるのだと感じました。私自身、海岸林に関する知識を深めるとともに、またこの活動に参加したいです。
参考文献
(1) National library of medicine, PMC PubMed Central,Phytohormones Regulate Accumulation of Osmolytes Under Abiotic Stress
(Anket Sharma , Babar Shahzad , Vinod Kumar , Sukhmeen Kaur Kohli , Gagan Preet Singh Sidhu , Aditi Shreeya Bali , Neha Handa , Dhriti Kapoor , Renu Bhardwaj , Bingsong Zheng) 閲覧日:2025/9/23
葛刈り終了! ~1,167人/3ヵ月~
吉田です。葛刈りは12年目。協定面積103ha、植栽実面積72.5haのうち、コロナ禍を経て拡大した葛。その侵入面積は植栽実面積の20%前後(むろん、植栽地に含まれない盛土法面や管理道なども葛枯殺の対象地です)。今年も5月下旬から開始し、7月中旬~8月末は酷暑のため作業停止し、9月末までプロ数百人(まだ集計を終えていない)と1,167人のボランティアで全力で臨み、9月27日をもって今期の作業を終えました。
9月は最後の追い込み。今期からボランティアが受け持つことになった飛行機誘導灯南のハイレベルな現場(約4.5haの50%以上が葛に覆われた場所)に、475人(9月)で挑みました。先日紹介した9月2日の仙台トヨペット269人、5日の公募日(第一三共、ホーチキ、仙台トヨペット、IBEXなど)、19・20日の住友化学労組、26日のUAゼンセン、27日の公募日(東京海上&仙台支店、仙台トヨペット、鹿島建物管理東北支社、東洋紡労組、矢崎エナジー仙台支店など)。宮城県民率、女性率、リピート率、U22率・・・いずれも、とても良い数字だったと思います。
若い人、一気に増えたなあ~。一番うれしいことです。老壮青の全年代が満遍なく参加することを目標にしてきました。東京本部から来た大学生インターンや若手職員も、オイスカ本部HPブログでレポートしてくれています。
最終日となった9月27日の公募日は、98人で2.25ha(クロマツ8,400本)のエリアの葛を枯殺。各社にもリピーターが多かったせいか、想定よりも1haほど多く前進。こんなに進むとは思わなかったです。
今年の葛刈りはこれにて終了。プロとボランティア全体として、一度も手を入れられなかった場所は、ごくわずか。達成の満足度は過去最高。私としては90点!いや、99点を付けたいです。なによりも良かったのは、適正人数を募集でき、多くの方との新しい出会いがあり、そのうえで無事故も続伸できたこと。心底ホッとしながら帰京しました。
11月は、生長モニタリング調査や現場管理と、溝切り、ゴミ拾い(たくさん捨てられてます)をボランティアとの仕事にするつもりです。臨時のボランティア日を決めて、来年の葛刈りの準備や、また、マツクイムシ病の勉強会なども計画したいと考えています。
完全冬眠しないことにしました。

5年?7年?見逃した葛の根元。松と変わらない太さ。
9月27日に東洋紡労組の女性が発見。見つけたことが凄い!

【施工開始】9月6日 公募ボランティア54名
(手前はオイスカ関西支部会長・JR連合会長の上村さん、奥は第一三共の社員さん)

【施工開始】9月6日 公募ボランティア
そして翌々週、住友化学労組20名+オイスカ学生インターン・ボランティアリピーター7名が続きを。


かつて見たことがないほどの会心の出来



一度倒した防風垣を元に戻して、
住友の「いげた」マークで記念撮影

【インターン】9月19日、20日の作業より
こんにちは、CSOインターン生の柚原です。
今回は9月19日、20日の活動について一部報告します。
9月19日はボランティアとして住友化学労働組合の方々がいらっしゃり、葛刈りを行いました。
この日の夜はボランティアの方々と一緒に名取サイクリングセンターにて温泉に入り、夕食を食べた後、オイスカの報告会を行いました。
報告会では吉田さんより海岸林の話を、私からはウズベキスタンのプロジェクトの話をしました。
吉田さんの話を聞いて改めて、海岸林プロジェクトの目的や過程の布石の明確さとその発信力を実感しました。なぜ海岸林なのか、どんな海岸林にしたいのか、そのために何をするのか、必要なのか‥
そういったプロジェクトの基盤的考えをボランティアさん達に丁寧に共有すること。
これは、ボランティアとして多くの方々が関わるプロジェクトだからこそ、重要なことだと感じました。
そしてまた、発信の仕方についてもどの情報をどう共有するか。的確でありながらも、受け手を考えた工夫を感じました。
ウズベキスタンの話については、想像以上にみなさん興味を持ってくださり、非常に多くの質問が上がりました!

ウズベキスタンの現場は、プロジェクトの基盤的部分がまだ明確ではない、固まっていない状況であり、なかなかに厳しいですが、その中でも報告する、共有することは続けなければなりません。そういった部分も含めて何をどう伝えるか改めて考えさせられました。
20日午後は少数人数での葛刈り作業。
今回は吉田さん、浅野さん、インターン生4人とベテランリピーターの森さんの7人で行いました!
今回の作業場は図太い葛の蔓が地面を張り巡っているような場所で、やりがい抜群でした!

実はインターンの柴崎さんと一緒に作業するのはおそらく今回が初めてであり、この日は同世代の学生も多かったため、いつもとは少し違った空気感で新鮮でした。
みなさん何を考えてインターンに来ているのか、プロジェクトをどう捉えているのか、色々と話をすることが出来、刺激的な2日間でした!
【インターン】初めてのクズ刈り作業
皆さん、こんにちは。インターン生の柴﨑翔吾です。
今回は9/19、9/20の2日間、クズ刈り作業をして参りました。私はこれまで約3ヶ月ほどインターン活動をしてきましたが、イベントの準備や下見などに同行させていただくことがほとんどで、実際のクズ刈りをするのは今回が初めてでした。
正直、自然の力を甘く見ていました。
外から見ていた時には、そこまで広い範囲ではないし大して時間もかからないだろうなと感じていた範囲のクズ刈りを終わらせるのに、予想の5倍は時間がかかりました。地上に出てきて私たちの視界に入ってくるクズはほんの一部で、地面ではクズの枝が複雑に絡み合い、とても広い範囲を横断しながら繁茂していました。さらにマツの枝や他の草木に遮られ奥まで進めない時もありました。
2日間、体力と時間を注いでクズ刈りをやり切ったエリアもマツ林全体に比べたら見えないくらい小さなエリア。これを全てのエリアでやり切ると考えると気が遠くなりました。


オイスカの担当区域以外では完全にマツがクズに覆われてしまい、取り返しのつかない状況になってしまっているエリアもありました。何も知らない私たちはマツの苗を植えることに価値を感じ、その行動にスポットライトを当てて賞賛し賞賛されようとします。でも、マツを植える人は、植えた苗が大人になるまでのとてつもなく長い期間のお世話をして育て上げる責任を負います。やると決めたのであれば、その責任を背負って最後までやり抜く覚悟が必要なのだと感じました。
クズ刈り作業は大変であると同時に楽しくもありました。今回は住友化学労働組合の方々と一緒にクズ刈り作業をさせてもらい、大学のことやお仕事のことを話すことができたり、作業後のお風呂では人生の先輩としてのありがたいお話をしていただいたりと、ものすごく楽しく貴重な時間でした。クズ刈り作業を通じて沢山の今まで出会わなかった人と出会えて、知らなかったことを知ることができるのもまた一つの価値だと感じました。またどこかでお会いできたら今日話しきれなかったことを沢山お話したいです!


今回の活動で感じたこと、学んだことは、大学の机の上では決して学べなかったことだと思います。これからもそのような学びを積み重ねていきたいです。
吉田です。飛行機で来た9月のボランティアの方たちが、機窓からの写真を提供くださりました。葛の繁茂状況がわかるので、業務としても、記録としてもとてもありがたく思っています。以下、ご紹介します。
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「名取市海岸林の全景」
住友化学労組執行委員の鈴木さん撮影。今までにない角度。とってもレアです。
葛の繁茂-1-768x1024.jpg)
オイスカ関西支部役員の宮本さん撮影。手前はオイスカ協定外ながら、葛の酷さに驚きました。

大阪万博を見に行った足で、飛んできた東京本部大学生インターンさんが動画と静止画を撮影

【番外】 名取市海岸林北端付近「名取市サイクルスポーツセンター」屋上より吉田撮影
<11/20 (木)・東京>オイスカの森づくりを通じた企業・団体担当者の情報交換会
このたび、オイスカではご支援をいただいている企業・団体の皆さま、そしてこれからご検討くださっている皆さまとの交流と学びの情報交換会を開催いたします。
海外の現場で活動するスタッフの生の声や、海岸林再生プロジェクトを中心とした国内での取り組みをご紹介するとともに、参加者の皆さまからの支援事例を共有いただき、他の企業・団体の実践を知る貴重な機会ともなります。社員参加型のボランティア活動や情報発信の工夫など、日頃の取り組みやお悩みを気軽に相談いただける場としてもぜひご活用ください。
皆さまのご参加を心よりお待ちしています。
<開催概要>
■日時:11月20日(木)15:30~17:00
■会場:コングレスクエア日本橋 3階 ルームA
(東京都中央区日本橋1丁目3−13 東京建物日本橋ビル)
アクセス►https://congres-square.jp/nihonbashi/access
■参加費:無料
■使用言語:日本語
■主催:公益財団法人オイスカ
■プログラム(予定)
・海外からの活動事例紹介
― 「子供の森」計画(※)インドネシアスタッフが語る 森づくりの現場と想い
・海岸林再生プロジェクト近況報告
・企業・団体による活動・支援事例のご紹介
・参加者同士の情報交換
申し込みほか詳細はコチラ
https://oisca.org/events/e251120/

宮城・福島で見た「今」
皆さんこんにちは!前回に引き続き、本部の濵﨑が9月7日(日)宮城と福島での体験をお伝えします。
その日は日曜日。ゆりあげ港朝市に行ってきました!市場には新鮮な海産物、乾物、フルーツ、出店、たくさんの物が販売されていて、新鮮な海産物を購入しその場で焼いて食べることもできます。せり市も有名で、参加者は番号のついたうちわをもって、せりに参加することができます。

名取市から福島県の双葉町まで海岸沿いを通りながら、他のエリアの海岸林の状況を視察しました。そこには、水はけが悪くて成長が良くないクロマツや、松くい虫の被害にあっているクロマツ、そして葛に覆われたクロマツなどが多くありました。

その途中、震災遺構の請戸小学校に行きました。海岸から300m、福島第一原子力発電所の北約5キロという非常に危険な地域にありましたが、全員が無事に避難できた奇跡の学校として知られています。

地震が起きた時間、5年生は3月23日(水)に行われる卒業式に向けた準備をしていたそうです。体育館には式幕が飾られたままでした。津波によって曲がった窓枠、剥がれ落ちた内壁、厨房機器が折り重なった給食センターなど、被害の大きさに言葉を失いました。

さらに福島第一原発の近くには、一部、帰還困難区域があります。かつては、多くの人の生活があり、地域の行事や子供たちでにぎわっていたであろう地域の中に、震災後に手が付けられていないような住宅や施設等がありました。その風景を見たときにすごく寂しく悲しくなりました。

今回初めて宮城と福島を訪れ、多くのことを感じ、学ぶことができました。ですが、私がこの4日間で見て学んだことはほんのわずかだと思います。ゆりあげ港朝市のように、活気があり明るい雰囲気を感じるところもあれば、十分に手が加えられていない海岸林や帰還困難区域近隣の現状など、大きく異なっている状況に心が浮き沈みしました。次回の活動でも、多くの人の話を伺い、自分の目で見て感じたいなと強く思っています。
厄介者の葛!!
皆さんこんにちは、本部の濵﨑です。9月4日~9月7日までインターンの八木さんとともに、名取市で行っている海岸林の現場に行ってきました。熊本出身の私にとって初めての東北でした。今回は、9月6日(土)のボランティア公募日の活動についてお伝えしたいと思います。
今回のボランティアは、第一三共さん、仙台トヨペットさん、アイベックスエアラインズさん、ホーチキさん、東京海上日動火災保険さん、オイスカ関西の皆さんなど、総勢54名の参加がありました。指導者の方々の指示を仰ぎながら、活動がスタートしました。
1人ひとつずつ、鎌と除草剤が入った醤油さしをもって、葛刈りの準備万端で海岸林に入っていきます。それぞれの列に入ると、海岸林の効果を感じます。風の通りが悪くなり、作業する私たちにとっては、暑くて大変ですが、海岸林が果たすべき効果を体感できました。

葛は、葛餅や葛きり、葛根湯の原料として知られています。体にいい植物なのですが、ここでは、厄介者です。クロマツの成長を妨げて、光が届かないほど覆いかぶさると、クロマツは枯れてしまいます。なので、オイスカの葛刈りは徹底的です。つるをたどり、根元を鎌で刈り、その断面に除草剤をたらします。葛は地下茎でつながっているため、完全に除去することが非常に難しいそうです。

最初は、松の葉もチクチクするし、つるがどこまでも伸びている葛に呆然としました。ですが、やり始めると楽しく、気が付くと松林の中に入って、つるを追いかけて作業に没頭していました。上を見ても先を見ても葛だらけなので、「やばい」と思いながらも、取り除いて山のようになったつるを見て少しずつ進んでいることを感じました。

作業後に堤防に行くと、気持のいい風が通っています。強い海風とやませから、田んぼや畑、インフラ、私たちの命まで守ってもらうには、海岸林が必要不可欠であると感じました。もし、海岸林がなかったら20㎞内陸まで潮が飛んでいきます。海岸林の大切さをもっと多くの人に伝えるにはどうしたらいいのか、これからも考えたいと思います。

長時間の作業にもかかわらず、積極的に作業に取り組んでくださり、ありがとうございました。終礼後、ボランティアの皆さんが帰っていくときに、ベテランの石見さんが「このボランティアに参加する人は、帰るときに生き生きしたように帰っていく。その姿を見ることが好きなんだよな」とおっしゃっていました。この気持ちはうまく説明できませんが、出身や会社、年齢など何も関係なしにみんなで汗を流して、一生懸命作業した充実感や達成感を感じているのかなと感じました。
私は、東日本大震災の時は、小学4年生でした。テレビの中の映像が信じられなくて、すごく怖かったことを覚えています。震災から14年が経ちましたが、これから自分ができる形で海岸林の再生に携わることができることを嬉しく思っています。また、ボランティアに来てくださる方々や、支援してくださる方々、地元の方々、多くのサポートと熱い想いでできているプロジェクトだと感じました。今回が初めての海岸林の現場でしたが、年齢や組織の垣根を越えて多くの人と出会うことができました。次の海岸林の現場では、今回参加してくださった方々との再会と、新しい出会いがあることを楽しみにしています!また行きます!