9月18日のボランティアの日は103人。
三菱UFJニコスとMUFGグループ、全日空レベニューマネジメント部、
第一三共、ニコン、仙台トヨペット、全日空労働組合連合会、個人参加の皆さん。
うち、10回以上参加レベルのリピーターが20名。別働隊名「大鎌隊」を編成。
キレキレのプロ用の道具を手に体操後、即移動。

全体ミッションは、2014年植栽地16haの下刈(つる豆草抜き取りと葛の刈り取り)の完了。
初級者2チーム80名は北から攻め、大鎌隊20名は南から攻める。この間、1.5km。

2014年植栽地

2014年植栽地

昨日はすべて完璧にやり終えた。
今日は少し残るはずと思っていた。しかし、99%やり終えた。
あとは私が巡視しながら一人でできる。
2014・2015年植栽地26ha、13万本分のお世話は終わった。

最後の1時間、2016年植栽地10ha、5万本の方に移動。
ここは少しやり残しがある。それでも7割は完了。
内陸防風林1.8haは6割完了。残したのは草丈が低い場所。
残った部分はプロに頼むし、10月のボランティアでも。

2016年植栽地

2016年植栽地

今日は初心者コースでも、何となく目に留まった方を、班長にしてみた。
その方たちや何人か、ものすごく動く人がいた。
途中で志願者を募った「1km徒歩で葛探しチーム」(ちょっと過酷)に手を上げてくれた第一三共のみなさん。
一番最後、15時過ぎ、一番疲れている時、気合を保っている人を見て、涙が出そうになる時もよくある。
「今年も彼岸まで、最大限頑張ろう」と思ってきた。
今日初めて会った方たちなのに、同じ気持ちで、我がこととして頑張ってくれる。
3年ぶりに来てくれたANAのOさんは、一日中、笑顔で周りを引っ張っていた。

下草刈りのリレーは、2014年以降ずっと続いている。
育苗場から数えれば、2013年からだ。
「僕が前に来た時に育苗場で草を取ったのがこの木なんですね」と、
昨日レナウン労組の円谷前委員長が言ってくれた。

たとえ、3年に1回、5年に1回でも来てくれる人が大勢になれば、僕らのプロジェクトは回してゆける。
「久々、ちょっと気合入れて行ってみようかな」と思ってくだされば本望。

しかし、壮大なリレーだ。

9月16日、UAゼンセン傘下の各労働組合と、UAゼンセンレナウン労働組合を
うまくお見合いさせることができ、合わせて85名の合同実施となりました。

数人を除き、大半の方が初めてという、最近ではちょっと変わった存在でした。
それでもレナウンの名頭薗(めおとぞの)委員長や、円谷前委員長は
組合員が来る前にちゃんと自分が経験済み。新旧委員長が支援・参加する
目的をよく話し合い、目的を強く持って、時間をかけて組織決定し、
今回の初実施となりました。

今回の仕事は、我々にとっては重要な目的を託す「戦力」でした。
ミッションは「2015年植栽地10haの総点検」。
つる豆草の抜き取り、葛の刈り取りの最終日。大トリをお願いしました。

施工中

施工中

8月2日、8月28日など今年4回、約350人で抜き取ってきたにもかかわらず、
その同じ場所からつる豆草がはびこっていました。
完全に「被圧」、隠れてしまっているマツも。
私だけは呆れません。つる豆草とはこういうもの。

施工後

施工後

レナウンは、委員長が社長に相談し、新入社員を多数。全体で50名以上。
「こんなに来てくれると思わなかった。会社も配慮してくれて、
若い社員が行きやすくしてくれた」と委員長。
自社だけでなく、別会社の労組組合員との協働にもなりました。

「何のために海岸林の再生に関わるのか」
委員長も前委員長も、自社、他社の組合員の前で話しました。
UAゼンセン逢見直人会長も、日頃も、定期大会で、同じことを話していることを
私は知っています。社会性を磨いてほしい、感性を磨いてほしいと。

私自身、レナウン労組とは1996年から長いお付き合い。
フィリピン北部オイスカアブラ農林業研修センターへの協力をしていただきました。
円谷前委員長は私より現地に遥かに詳しい。
ぜひ、これからも一緒に。今度は名取で。

左:名頭薗委員長、右:円谷前委員長

左:名頭薗委員長、右:円谷前委員長

2015年植栽地の今年の保育は100%完了!!

ここでは、大河原町立金ケ瀬中学校全校生徒、仙台市立長町中学校区の「チーム長町」
全国のボランティアの皆さんと続けた草との闘いのリレーでした。
「彼岸までに」を無事終えました。
ありがとうございました。

測定から観察へ②

2016年9月23日( カテゴリー: 清藤先生の視点 )

これまでの関東以北の海岸林植栽木の成長データから、ここ名取の海岸では10年目で
樹高2m程度に達すると推測しておりますが、3年目でその推測を超えている樹木も見られたのです。
実はこのエリアの植栽木1年目は、全体では生存率は高いものの、
成長は最も遅いグループに分けられていたのです。

2mを超す高さの植栽木

2mを超す高さの植栽木

では今その成長が良いのはどこからきているのでしょうか?
それは3つのキーワードで言い表せます。

「精英樹」、「再生の会1」、そして「裸苗」です。

最初の「精英樹」とは、周囲木と比較して生長がずば抜けて良くその他の形質も良い個体(エリート)を選び、
それを接ぎ木してその精英樹クローン個体群で採種園(タネ取り園)を作り、優秀な親から生まれたものです。
地元の精英樹の子供集団というわけですから生長が優れていると予想されます。
マツくい「抵抗性苗」と比較して「普通苗」と呼んでおりますが、実は成長のよいエリート集団からできた苗です。
海岸林では特に抵抗性を優先して考えておりますが、海岸林の防風、防潮など海岸林の機能を
早期に発揮するためには、成長が良いことに越したことはありません。

2番目「再生の会1」、海岸林で名取を訪れた方々が必ず立ち寄るオイスカ再生の会の育苗場のこと。
ここでの苗木作りは非常に技術的に優れた苗を作っております。極端に伸ばさず、
根元径の太い苗を作っています。それが実は後の生長に影響するのです。

3番目「裸苗」、今はほとんどコンテナ苗による植栽ですが、当初は苗畑に床を作り、
そこに種子を播いて露地で苗を作った苗でした。その苗はコンテナ苗のように土付きではなく、
畑から掘り取った土の付いていない苗です。地下部がコンテナという狭い空間で
育てられていない分、根の発達が豊かな苗です。コンテナ苗は、比較的楽に苗木ができ、
活着もよく植栽時期を選ばない低コスト再生造林向きと、林野庁で推奨しているものですが、
本来なら裸苗の方が良いと私は思っております。

以上3つのメリットが相乗して今の結果が生まれていると考えております。

測定から観察へ①

2016年9月22日( カテゴリー: 清藤先生の視点 )

緑化技術参事の清藤城宏です。
9月16日~17日の二日間、ボランティアの日の日程に合わせて、名取の海岸林再生現場に入りました。
前回7月15日の調査では、土壌の物理性を中心に土壌の硬度、Ph、水分状況、土性に着目して
調査を実施しました。しかし雨期のデータであったため、再度秋晴れの天気続きを狙ってのデータを
収集するつもりで今回現地入りしました。今回は晴れておりましたが、残念ながら連日雨が続いていて
前回よりもさらに土壌は湿った状態。そこで測定をあきらめ、調査プロット19ヵ所を見て回りました。

理系の研究では「定量的」に物事をとらえることがほとんどで、
文系では「定性的」な場合が多いのではないでしょうか?

「定量的」とは、物事を数値化して具体的に捉えることです。
モニタリングでいうと、植栽した苗の樹高や直径を測り、様々な条件における苗の成長を数値として
表すことを言います。例えば測定結果から、成長のよいAプロットでは20年後には樹高が7mに達した
閉鎖林分になることが予測される、とか。

一方「定性的」とは、対象の不連続な性質に着目してとらえる事。
簡単に言うと、物事を事象として抽象的に捉えることをいいます。
例えば、今回の観察した結果から、Aプロットは非常に伸びも良いので、20年後に樹冠も閉鎖して
立派な林分になることが予想されます、というように同じ場所でも表現が、定量的・定性的で変わってくるでしょう。

確かに数値で表すことは大事ですが、それによる評価の見落としはないか、という問題を感じる時もあります。
いつもなら調査プロットの測定に追われ全体を良く見ていないきらいもありますが、
今回は定量的測定調査ではなく、定性的な観察に徹して見て回りました。

植栽3年目・初年度2014年植栽地を見ても本当に様々な育ち方をしております。
植栽当年に良かった場所・苗とは逆転している場所もあります。すなわち植栽して
その秋の成長休止期の成長結果がそのまま持続するかというと、そうではないのです。
今回、「凄い、成長が違うぞ!」という目立った場所がありました。

海岸林再生地は、海岸線に平行に防風棚(ハードルフェンス)が設置され、また静砂垣(高さ1m)との
組み合わせで囲われておりますが、3年目にして静砂垣を軒並み超えている場所があるのです。

静砂垣1mの高さを超えている植栽木群

静砂垣1mの高さを超えている植栽木群

測定から観察へ②へ続く…

「理論的後ろ盾」と佐々木統括が言う、清藤城宏 緑化技術参事の71歳の誕生日会を
先生と統括と三人、青森県五所川原の居酒屋で。日本酒の利き酒しながら。

「清藤」の先祖は藤原氏の流れ。安部一族に関係するのでしょう。
青森屏風山海岸林視察の後、有名な田舎館村の「田んぼアート」を見学しましたが、
その近所におじいさんの家があったそうです。

先生は北海道で生まれ、新潟大学農学部、九州大学大学院で農学博士号を取得し、
山梨県森林総合研究所に勤務。JICAの専門家派遣でインドネシア駐在などを経て、
定年退職後、東京農大の非常勤講師と並行し、オイスカ緑化技術参事として
非常勤職員に。

オイスカでは、数々のプロジェクトに関わっていただきました。
パッと覚えている限りで、インドネシアの多くのマングローブ、
タイ北部メコン河水源地や南部のマングローブ、フィリピン中部や北部の水源地。
フィリピンレイテ島やアホイ島などの台風被害前から関わり、被害地の復旧には
現在進行形で。

国内では、学校林保全や、山梨県の富士山や甲州市の大型プロジェクト。
そして、この名取の海岸林には立ち上げから、欠くべからざる中核メンバーとして。
年間10回程度×5年半、現場に来ていただいています。

宮城県林業総合センターのマツノザイセンチュウ抵抗性クロマツ母樹林にて (2011年5月26日の初実踏調査)

宮城県林業総合センターのマツノザイセンチュウ
抵抗性クロマツ母樹林にて (2011年5月26日の初実踏調査)

先生はいつも小さなカバンだけで現場にヒョコっと来て、車を降りた後は歩くのが
とにかく早い。用事が済んだら、帰るのも早い。モタモタしているのを見たことがない。
誰も71歳などとは思わない。この夏も、フィリピン3回、インドネシア1回。名取に2回。

土壌の物理性調査にて(2016年7月15日)

土壌の物理性調査にて(2016年7月15日)

おそらくこのプロジェクトを、ご自身にとっての一つの集大成として考えているはず。
フィリピンからでもメールも来るし、HPのブログで動きを把握してくれています。

今年度の下半期も、土壌の物理性の調査、生育モニタリング調査、ニセアカシア・葛などの枯殺調査、将来ビジョン形成調査に
当っていただくことになっています。
11月は最大3回、名取に。

青森で3人、他愛のない話で盛り上がりました。
乾杯の前から「二次会は行かない」と言いながら、
2時間後にはあっさり翻意。3軒目はラーメン屋。

よく食べ、よく飲み、「ヒジョ―に意志が弱い」3人で、
毎年11月上旬、来年度事業計画会議を2日間行います。

海岸林ブログも「清藤先生の視点」というカテゴリーを設けています。
ぜひご覧ください。

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