7月22日、全積水化学労働組合連合会42名と行動を共にしながら思いました。

2016年草との闘い前半戦、例年同様、数多の企業や労組、個人参加のボランティアの
皆さんが、同じ目標の同志として、リレーのように幾重にも連なり、
結果として、驚異的な仕事量を見事にこなすことができました。

クロマツの根元周りはプロの刈払機を使うことは出来ません。どうしても手仕事に。栄養を取られるからではなく、被圧されるから除草が必要です。

クロマツの根元周りはプロの刈払機を使うことは出来ません。
どうしても手仕事に。栄養を取られるからではなく、
被圧されるから除草が必要です

今日は、我々が目指す「海岸林ビックチーム」について。

委員長、副委員長、中央執行委員は、それぞれリピーター。
まず、待ち合わせの空港で会ったとき、すでに余裕がある。
リーダーの、こういう落ち着きが大事なんですよね。

まず、事前に事務局の誰かが先発隊となり、ボランティアの日などへの実戦参加の機会を設けている。
その経験を組織内にシェアする。それでもわからないことがあればドンドン聞く。
必要があれば、オイスカ本部に行く、オイスカを呼んで仲間たちにシェアする。
現場に来て下さる企業には、そういうことを求め、みな意を汲んで下さいました。

他の海岸林支援企業にもドンドン聞く。
我々も支援者同士が横のつながりを持てるような組織のイメージを
明確にもって、何年も前から準備しました。
個人であっても法人であっても、支援者全体が連合体となるよう。
私にとって林業は、隣同士が助け合うイメージです。現場でもよく言います。
一人で頑張ろうとしないで、大変だったら周りの人に声をかけるようにと。
ボランティア全体を考えて助け合う意味で、大型バスを出してくださるのは、
毎月来てくださる三菱UFJニコスと、UAゼンセンさん。

「みんな自分で手を上げて来た人ですから」
積水チーム執行部は、口をそろえて話してくれました。
自主性を促すべく、手順を踏んで組織決定し、内部広報を周到に進めてきたのでしょう。
とくに委員長は、参加最初からその点を目標にしてきたようにも見えました。

これまでの4,000人を超えるボランティア対応で、とくに困ったことはありません。
なぜなら、呼びかける人、組織がしっかりしているから。
自分の言葉で、なぜ海岸林に取り組むのか語れる人がたくさんいるから。

どの企業も、最初からうまくはいきません。
参加者が集まらないのは、企業の社会貢献活動の大きな悩み。
それを乗り越えるのは、ビジョン。
何のための活動か、なぜそれに取り組むのか、リーダーたちの考え方次第。

積水チームのボランティア開始前、大熊委員長が私たちの活動に「共感した」と
話してくださいましたが、それは私も同じこと。
2年前、何度も委員長と意見を交わし「共感」しました。
委員長として全積水労組をどう率いたいか、なぜ海岸林に取り組むのか。
数多ある課題あるなかで、私たちの活動への参画を新たに加え、新たに支援することは、
彼らの組織のビジョンの一貫と感じ、本当に光栄に思いました。

海岸林再生という目標はただ一つですが、お互いに意義がある歩み方をしたいです。
そして、加わる一人一人が、我がこととして感じられるように。
3年に1回、5年に1回、10年に1回しか来れなくても、この海岸林の再生に、
確かに自分も加わったと思ってくださる人を増やしたい。

あらためて、各支援組織の多くの元担当、現担当者の方々にご尽力いただいていることに、心から御礼を申し上げます。
手前味噌かもしれませんが、本当にすごいビックチームができたと思います。

背景部分が全積水労組42名の成果です。続きは29日UAゼンセン30名が引き継いていただきます。

背景部分が全積水労組42名の成果です。
続きは29日UAゼンセン30名が引き継いていただきます

「これは闘いだと思え」(ニセアカシアや葛のこと)とは、佐々木統括の口癖のひとつ。

元の地盤を残した個所から、ニセアカシアや葛が、種と根で伸びてきて、
盛土の上まで進出してきているのは2年前から報告してきました。
前田建設東北支店のベテラン社員さんが、根っこごと引き抜いたら、
10m近い根が採れたこともありました。あの場所にも、僅かに残った根が生き続けて、
一層激しく反抗してきました。とくにニセアカシアは侵略的外来種ワースト100。
養蜂には役に立ちますが。自分と違う生き物を駆逐するという性質があり、
海岸林ではまったく不要な樹木です。

我々一同、ボランティアリピーターの方も、心を一つに、素手で闘ってきましたが、
それももう限界と判断しました。

今年6月から、闘いの経験がきわめて豊富な松島森林総合と組み、
盛土法面、法面と作業道の際など今回1度だけは、潔癖なまでの全面刈りをして
(ハギなど残したいモノは伐らずに)、日光を十分に受ける状態を作り、
悪質な対象の繁茂を意図的に促進し、準備を進めてきました。

ちょこちょこっとした調査ではありません。この二人は専属になります。「たまたま今日いる人」扱いではない同志です。

ちょこちょこっとした調査ではありません。この二人は専属になります。「たまたま今日いる人」扱いではない同志です

効果はテキメン。
「ありがとうございます」と言わんばかりに、狙っている獲物がすぐ出てきました。

1年で樹高5~6mとなり、我々の車両にも傷をつけるニセアカシア並木となる2015年植栽地や、
葛・笹・竹の多発地帯にプロット(試験地)を設定し、ターゲットの根元一つ一つに
番号をつけ、薬剤の種類や、塗布方法などすべて写真管理・記録します。
たとえ心無いイタズラで番号を引き抜かれたとしても、写真管理もします。
記録は書類の束になるでしょう。

我々の調査が他でも役に立つよう、結果は公開、アウトプットします。

我々の調査が他でも役に立つよう、
結果は公開、アウトプットします

適当にまくなどはしません。
ターゲットを定め、その根元を狙うのです。生物多様性配慮ゾーンであってもなくても、
除草剤のようにむやみに雑草すべてを枯殺するのではありません。

これはボランティアの世界じゃありません。薬剤なので。
相手を知り尽くした熟練のプロをもっても手に余る世界に突入したということです。
手遅れになってからでは遅い。普通の下刈りと同様、初期対処こそが肝心です。

ここは最もひどい場所の一つ。すぐニセアカシア並木になります。

ここは最もひどい場所の一つ。すぐニセアカシア並木になります

8月28日(日)8:30~12:00 地元向けに半日ボランティアを追加します。

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詳細はこちら

 

名取市広報掲示板が150ヵ所ほどあるそうなので、チラシだけではなく
自転車部隊も編成し、ポスターも掲示して、どぶ板作戦で告知します。
すべてに掲示できないかもしれませんが。

私たちのプロジェクトでは、壮大な面積に対抗してゆくため、
ボランティアを「戦力」と考えています。第3土曜日のボランティアの日等では
基本的に9時開始~17時終了の8時間体制を基本にしています。
「ちょいボラ」的要素は排除しています。

ですが、1年に1回だけ、地元市民向けに「半日」という日を設けようと。
親子連れでも体験できるように。もちろん、植える仕事はありません。
おそらく、つぼ刈り、つる草抜き取りとなるでしょう。

昨年半ばから、大学生や大学院生で、当プロジェクトを研究対象にする人や
高校生・大学生の自主的ボランティア参加、中学生の職場体験、
小中学生の見学など、若い人たちの変化の兆しを感じました。

区長会連合会や農業従事者などからの「個人」の寄附も続伸しています。
植樹祭も3回実施し、今年も最終的に定員以上集まりました。

地元の人にもっと現場で汗をかいてほしい。
だけど、相当頑張らないと中途半端な仕事になってしまう。
ですが、小さな変化の兆しに反応したい。
高校生との接点が少し増えたこと、名取北高校など。
考える力が身につき始めるこの世代、放っておけない。

そんなこんなで、色々な意見を聞き、話し合って、
1年に1回だけ、ハードルを下げて、1日は無理だけど、少しなら…と言う人に
間口を広げる日があっても良いかと。

植樹祭以外に1回だけ。

【番外編】~今日夕方のある会話~

Aさん 金もらえないのに草刈りには行かないよな~
Bさん 朝7時半から、1時間が限度だわ
Cさん もうみんな遠くに、バラバラに住んでいて、誰も行こうなんて思わない

全員60歳以上の男性。農業従事者。これが普通の反応だと思います。
普段から農業で人に使われているのだから、休みたい気持ちもわかる。
目の前で言ってもらえるだけ感謝しています。まったく腹は立ちませんでした。
みんなが楽しみに来れる「お祭り」をやるつもりはないのですから。

空中断根

2016年7月27日( カテゴリー: 現場レポート )

副会長のSさん:これ2日間でやると思った~
別のSさん   :よく言うよ~ 遊んでばりのくせに~
また別のSさん:慌てることはないんだ。これからも忙しいんだ。
「根上げ」が終わったら、南側に木の板置かなきゃいけないし、
水遣りもあるし、消毒もあるし、やることはいくらでもある。
別のSさん  :このぐらいの人数がちょうどいいんだ。大勢だと人が遊んじゃう。
Mさん     :さ、帰るぞ。ウナギ採りに行かなきゃ。
(最近はカラスへのイタズラは飽きて、ウナギ。近くに仕掛けてある。
今夜は一杯やりながら、七輪で焼くんでしょう)
また別のSさん:蒲焼なんかじゃなく、天然のウナギはぶつ切りでも旨いんだぞ~
別のSさん  :どぉ~もね~ また明日来っから~
(ここの仕事が生きがいなんだ~と先週金曜日に言っていた)
副会長のSさん:明日は俺来れねーから、誰か代わり来っから~

とは前日の夕方の会話。
翌7月22日、再生の会のメンバーが3日連続でやっている「空中断根」に加わりました。
市役所での仕事と、午後からの積水化学労組との下刈の間、1時間だけでしたが。

「根上げ」「根切り」とも言います。
空中断根の目的は、コンテナ内部の細根の発根促進。
そのことを「根鉢を作る」と言います。
これらがしっかりできたコンテナ苗は、引き抜いた時、まったく土が落ちません。
植栽後、形成された無数の細根が、一斉に地中に向かってゆきます。

播種から育苗場での1年は、コンテナ内の培養土と地面から、水分と養分を摂らせます。
2年目に入り、地面から意図的に離します。空中に触れさせます。
これが空中断根という、なんだ?と思うような名前の由来です。

約8万本、コンテナ数として約3,300個を、地面から持ち上げて切り離し、
小さなかごの上に置き直してゆきます。かなりの力仕事です。

けっこうな重労働なんですよ。3,500台移動させるので。1時間だけでお尻の筋肉痛になりました

けっこうな重労働なんですよ。
1時間だけでお尻の筋肉痛になりました

籠の上に乗せるだけです

籠の上に乗せるだけです

根が切られるクロマツにとってみれば、生死の境でしょう。
生きるために、コンテナ内の培養土の隙間目がけて、さらに細根を伸ばすことで
ギリギリを生きてゆこうとします。この細根の充実が将来重要になってきます。

これからは水遣りが欠かせません。3日に一度ぐらいのペースです。
23日土曜日も、朝から二人出勤。Mさんは手首ぐらいの太さのウナギを釣ったと言ってました。
午前中、18万本すべてに散水です。

裸苗では、3月頃トラクターに根切り板を付けて、根切りをしました。
出荷前を含めて2年間で2回。
(当育苗場では、いまは100%コンテナ苗なので、この方法の仕事はありません)
コンテナ苗にしても、裸苗にしても、方法は異なりますが、
細根の充実は、苗畑の時点で意図的に行います。

晩秋に、また地面につけて春まで。

いつも思いますが、みんな口も抜群に動いています。
カラダも口も、鍛え方がチガイマス。

殺鼠剤も蒔きました

殺鼠剤も蒔きました

土壌環境調査

2016年7月26日( カテゴリー: 清藤先生の視点 )

オイスカ緑化技術参事の清藤です。

2014年の植栽以来、今年度の春の植栽地までに、19ヵ所のモニタリングプロットを設け、1プロット50本の
植栽木の追跡調査を継続している。プロットは、苗木の種類別、育苗方法、植栽時期、海岸からの位置などを
考慮し、生育にどのような影響を及ぼすかを明らかにしていく。
クロマツの調査研究報告の少ない現在、いずれは貴重なデータとなることは間違いない。
今回もこの19ヵ所の生育調査をボランティアさんの協力のもとに実施した。

今回は、生育調査に加え、生育基盤である盛土した土壌の物理性に着目し、
実施したのでその状況を概略報告する。

皆様ご存知の通り、海岸林の被害状況の結果から、しっかり根の生育を促す有効土壌深度が
必要だということが明らかになり、海岸林基盤の上に3mの盛土を行い、そこに順次植栽している。

土壌は基岩->礫->砂利->砂->細砂->粘土へと長い時間を経て変化し、それに腐植が加わり森林を形成するに
相応しい土壌となっていく。海岸林の盛土の土は、土壌になる以前の基岩がほとんどで、ほとんどが砂の場合が多くまた粘土分の多い土もみられる。

今回は土壌の絞まり具合を明らかにするため、土壌の硬度を、またPh、水分状況、土性に着目して調査を実施。
まず写真のように40cmの深さで垂直断面を掘り、まず土の構造物(土性)が砂か粘土かその割合で分類した。

プロットの中で標準的な生育をしているところに調査穴を設ける

プロットの中で標準的な生育をしているところに調査穴を設ける

次の写真のような器具で土壌の硬度、Phと水分状態を測定しました。

調査に用い山中式土壌硬度計(上)とDr.Meter(下)

調査に用いた山中式土壌硬度計(上)とDr.Meter(下)

測定に用いたもう一つの器具は、新しく購入したDR.Meter。はじめての使用。
取扱い説明書は英語版、一緒に調査を手伝っていただいたオイスカスタッフ浅野嬢に
「これ読んでどう使うか教えてー!?」

さすがオイスカマン(ウーマン)、英語は苦手と言いながらもさっと使い方を教えてくれました。
今回は雨期のどちらかと言うと湿った環境のデータ。秋にもう一度調査し、詳しく分析する予定だ。

地下部30cmの位置で土壌硬度を測る

地下部30cmの位置で土壌硬度を測る

土壌のPh 水分状況をDr,Meterで測る

土壌のPh 水分状況をDr,Meterで測る

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