オイスカ国際理事会でお伝えしたこと

2017年10月15日( カテゴリー: 本部発 )

10月11日から、オイスカインターナショナルの年1回の国際理事会が開催され、
約60名の出席者を前にプレゼンしました。被災地全体がこれまで6年半の間、
海外から多くのご支援をいただいたことに御礼を申し上げるとともに、
オイスカに籍を置いた20年前から、バングラデシュのショニボール運動(自助努力)という
国民運動に感銘を受け、フィリピン最北部のオイスカアブラ研修センターでデルフィン所長から
オイスカスピリットの体現を学び、見原アイサさんをはじめとするオイスカタイから
なぜオイスカが世の中に必要なのかを学んだことなど、各国オイスカの良きエッセンスを
名取で生かしていることを伝えることができました。

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下記は参考資料として配布したものです。

2011年に起きた東日本大震災から6年半が経ち、海岸林再生プロジェクト第1次
10ヵ年計画は、国から「インフラメンテナンス大賞」を受賞した。
国からの評価のコメントには「雇用創出」「(プロジェクト基本的システム
の)国内外における汎用性」とあった。
このプロジェクトは、オイスカがこれまで行ってきた海外事業の優れた
コンセプトを導入したものであり、本質的に同一と考えている。
「国内外における汎用性」を評価されたことは、国際協力団体のオイスカに
籍を置く者として、とくに光栄に思っている。
このプロジェクトを立案・実行する過程で考えてきたことを述べます。

【立案コンセプト】
self relaiance 自助努力・自立精神の喚起
プロジェクトの最大のメッセージ。
支援漬けにすると、末代まで「ぶらさがり精神」は引き継がれてしまう。
主役は地元
地元のニーズ重視。
地元のやる気を確認できなければ協力する意味がない
行政との協働
行政が立案した優れた施策・計画そのものに協力し、その一端を担う
インパクト
大きな目標・計画には大きく協力しないければ、協力の域に達しない
ペネトレーター
大きな壁に対する突破力を示す。
(バスケットボールのポジション用語)
NGOの長所、オイスカの長所を駆使する
一地方では賄いきれない、人材・資金など各種資源を広く結集し、
繋ぎ合わせるコーディネート力。接着剤・潤滑油。
NGOとして、他にはできない唯一無二の存在意義を示す
共感性
支援者を含むすべてのステークホルダーが、我がこととして考え、参画
意識や、オーナーシップを感じられること、多くの人に共感・感動を
与え、学びの場となる存在であることを目指す。
国際支援機関のトレンド
これまでの「緊急援助」「災害復旧」という事後処理から、「防災・減災」
という「事前対応」に重点をシフトしている。
1,000年に一度の災害に耐えられる「インフラ」とすることを大目標に
復旧に当たるという国の指針に強く共感した。

【実行コンセプト】
Ultimete Clush
他の追随を許さない圧倒的な技術力と実行力。
コアチームは、プロ中のプロで構成する。
(*早稲田大学ラグビー部清宮克幸監督の当時のチームコンセプト)
目標必達
目標と各年計画への必達精神の共有。このことは低コスト運営に直結。
さらに、計画達成度の情報開示を行うことで信頼性の確保につながる。
資金的自立
行政から一切資金支援を受けず、海外を含む民間資金のみで実施。
対等な立場を堅持。徹底して民間活力を導入する。
雇用創出
地元組織化の要諦は、①自治、②自主財源確保、③還元
苗半作
プロの雇用と市民参加の併用
プロでなければできないことはプロに、市民で出来ることは市民で
当プロジェクトはボランティアを「戦力」と考える。
支援者コミュニケーション能力
支援者あってのプロジェクト。
毎日、絶えず発信し続け、報告義務を極める。
データ開示・説明責任を果たす。
自己評価の基準「DAC5原則+1」
①計画性、②実行性、③インパクト、④発展性、⑤持続性、+⑥共感性

9月27日、昨年に続き、JICAによる「森林生態系を活用した防災・減災」(ECO-DRR)の
視察研修5ヵ国8名の政府職員を受け入れました。総合コーディネートは日本森林技術協会。
指導役は森林総合研究所の坂本知己さん。

ミャンマー、パプア・ニューギニア、ネパール、ニカラグア、マケドニア。
それぞれの国、この国以外でもJICAは支援をしています。

当方は佐々木統括が指導。とくに「雇用創出」に力点を置いてとのオファー。
通訳補助として、東京本部ボランティアで元フォーリンプレスセンター職員の鈴木昭さん、
東京本部海外事業部所属、フィリピン人のグラゼンさんが助太刀。
2人は2011年からプロジェクトに関わっています。

鈴木昭さんが当日レポートをまとめてくださいました。

この一行がやって来るとプロジェクト現場責任者佐々木廣一統括の表情が生き生きとしてきます。
というのは、視察グループの面々は、いずれも自国政府で植林・森林整備政策を担っているプロで、
OISCAのプロジェクトに非常に高い関心を示し、現場での質問も専門的且つ的確であり、
林業分野で40年以上の豊富な経験を誇る佐々木統括がとても張り合いを感じるからです。

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JICAと森林技術協会の担当者4名に引率された研修参加者達は、始めに育苗場の見学をしました。
2012年3月から開始された抵抗性クロマツの種蒔き、コンテナでの育苗、出荷状況について詳しい説明を受けました。
ついで植栽地に移動し、2014年から植えられたクロマツの苗木の発育ぶりを見て回りました。
一行は、苗木の活着率が4年前の植林開始以来98%を超え、今年の場合には99.8%に達したと聞いた時に
とても信じられないというような反応を示しました。統括は、この数字については別に“はったり”ではなく、
外部の機関が調査した信頼のおける結果であることを強調していました。

育苗場に戻ってさらに質疑応答を続けました。

海岸林のないネパール出身の参加者から
「OISCAのプロジェクト地では、何故クロマツが主として植えられ、広葉樹など他の樹種が植えられていないのか」という疑問が出されました。これに対し佐々木氏は、海岸地帯の過酷な自然条件を指摘、クロマツの生存率が一番高いことを挙げました。また内陸側では一部広葉樹も植栽したことを紹介しました。

もう一人のネパール人参加者からは、
「低コストで効果的に苗木を生産・出荷したり、ほぼ100%に近い活着率を達成したりと非常にすばらしい実績を
挙げている経験を日本の他の地域のグループや団体に対し、或いは海外でも情報を公開し、共有しているか」という質問が出ました。佐々木氏は、「ノウハウや経験を独占し隠す意図は毛頭なく、一般的広報手段のほか林業業界専門誌なども使い情報を広く発信している」と述べました。

さらに、パプアニューギニアの女性参加者からは、
「現場における再生の会メンバーによる作業の割り振りについて男女別にするなど特別の配慮を実施しているのかどうか」
という質問がありました。これに対する回答は、「誰がどの仕事をできるかという点が重要で男性だからこの仕事、また女性だからこの仕事という区別は行っていない。しかしながら女性達に重いものを運ばせるようなことは避けている」との説明がありました。

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OISCAの現場取材の“常連”である宮城テレビが今回の視察についても関心を示し、担当デイレクターが一人で重い機材を背負ってやって来ました。3時間半近くの行程に初めから密着し、一行の一挙一動を熱心に取材していました。マケドニアとニカラグアの参加者達にそれぞれプロジェクト地を訪問した感想について個別にインタービューを行っていました。
取材結果については、10月11日に放映したようです。
残念ながら、宮城県内でしか見られませんが…。

おかげさまで、50haの下刈(ツルマメ抜き取り)はすべて完了しました。
成績表としては100点満点とは言いませんが、95点以上と思っています。

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今年も心ゆくまでツルマメに向き合いました。
6月上旬~10月上旬の4ヵ月で1,400人のボランティアはツルマメ抜き取り以外
一切してません。今年の植樹祭の植栽地など、年3回抜いた場所もあります。
それに加えて、プロの2回刈り。

10月6・7日、最後の2日間は、UAゼンセン40名、公募ボランティア107名で、
2017年植栽地の半分弱、およそ6haを一気に総点検。

5,100本/ha×6ha÷148人=・・・

つまり、405㎡、一人当たり206本のお世話ということになります。
ワゴン車で例えれば、50台分ぐらいでしょうか。
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総点検で相対するツルマメは、時に巨大。
1本の根から畳一枚ぐらいの広さで、はびこっています。

抜き取ったツルマメを地面に積み上げると、ときに「アリ塚」のように。
置く場所が足らないから、防風垣に掛けると、お化け屋敷のように見えます。
私たちだけが知る「珍みやぎ100景」。

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ツルマメに埋もれ、被圧され少し変形し、色が僅かに変色し、
枯死寸前というクロマツも、最後の最後で救出。

ちなみに、成績表のマイナス5点は・・・
プロを短期間で多人数揃え、最適のタイミングで一気に投入できなかった点。
1周すべて終わらせたと思ったら、最初の場所はもう茂っている。
プロはオイスカで抱えているわけではないので、
こればかりは仕方ないのですが。

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文字通り「プロをボランティアが補完した」と私は思っています。
ご尽力いただいた人すべてに、心から御礼申し上げます。

カッパーカー?

2017年10月12日( カテゴリー: 現場レポート )

こんにちは、海外事業部の廣瀬です。

10月7日のボランティアの日に参加させていただきました。
5月の植樹祭以来の名取でしたが、前回はVIP車両対応で参加者の方とはほぼ別行動、
車に付きっぱなしだったので作業らしい作業は今回久々でした。

今回私にとっては初めてのツルマメでしたが、
慣れてくるとだんだん楽しくなってきてノリノリでできるのですが、最初はまず見つけるのが難しい…
葉っぱでは見分けがつかなかったので、ひたすら小さな枝豆を探していました。
また色んな雑草がある中、細長く、しかもあちこち絡まったツルを辿って
根っこを探すのも最初はかなり苦労しました。
こんなのが全身に絡みつくんですから、クロマツからしたら非常に厄介な相手だというのもうなづけました。
参加された皆さん、本当にお疲れ様でした。

余談ですが…
当日、天気予報は雨だったのでカッパを家から準備してきたのですが、実はよくよくみると
持ってきたのはカッパではなく、カッパみたいなパーカー。
雨をまったく弾くことなく水分を全て中に通してしまい、特に午前中は全身びしょ濡れに。
だんだん手足の感覚が消え、体はガクガク震え出し、「これは明日絶対風邪ひくだろうな…」と思ってましたが、
その後、結局翌日もなんの症状もでなかったのでほっとしています。

真ん中のえんじ色が自分です

真ん中のえんじ色が自分です

いろんな方から栄養ドリンクやら温かいスープ(の残り)やらを頂いたのが大きかった。
あと当日ちゃんと早めに起きてホテルでいつもよりしっかり朝食を取ったのも良かったのかな。
やはり朝食は大事ですね。

広報室の林です。

7日のボランティアの日の最年少参加者が小学6年生の女の子だったことは
既に報告しましたが、父と娘で作業する様子が何ともほほえましく、
ついつい二人の姿を追いかけてしまいました……。

DSC_0089午前中、雨の中頑張ってくれたものの、唯一つまらなそうにしていたのがこの瞬間。育苗場で吉田の説明を聞いている時のことでした(左)。
「イクビョウ」だの「マツノザイセンチュウ」だの耳慣れない言葉がいっぱい並んでいたらだんだん耳が閉じてくる気持ちもわかります。
でも現場に行ったらこの通り。同じしゃがんで下を向いているのでも、こちらはお父さんと一緒に、懸命にツルマメを抜き取ってくれているのです!
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こんな大物もちゃ~んと根っこから抜いてくれました!

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防潮堤の上では2人で写真を撮る姿も。
事務所に戻ってからのまとめの会では、いつも吉田が指名して
感想を聞くのですが、今回はスタッフが一人ずつ指名することに。
私は迷うことなく、彼女を指名させてもらいました。
恥ずかしそうにしていたのでお父さんにも一緒に前に出てきていただきました。
「何言おう」とお父さんに助けを求める様子がかわいかった!
「初めはたいへんだったけど、最後には来てよかったと思った」と
自分の言葉で感想を話してくれました。
大人ばかりの中、雨も降ってきて寒いし、ひたすら同じ作業の
繰り返しなんて小学生には過酷な体験だと思うのですが、
最後までニコニコと取り組んでくれた彼女に感謝!

おばさんは若い子が一緒に作業してくれるだけで心がウキウキするのです。
親子参加の輪、どんどん広がっていったらいいなぁと期待しています。

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