クロマツ植栽木の大敵ツルマメは枝豆のルーツ

2017年7月19日( カテゴリー: 清藤先生の視点, 現場レポート )

緑化技術参事の清藤です。
この時期、ボランティア活動の中心は除草作業。
林業保育作業の中で最も過酷な作業と言われております。
若い方が山仕事に憧れ作業班に加わっても下刈り除草作業で根を上げ、
辞める方も多いと聞いたことがあります。

 

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雑草に覆われるクロマツ

 

ここクロマツ植栽地では植栽木の周りには施肥が施されているため、そこに雑草類、特にイネ科植物(ススキ、チガヤ、イヌビエ、オヒシバ等)が群がってクロマツの生育を阻んでいます。
今プロの方々が盛んに機械刈りで除草を進め、一部ボランティアの方々にも大鎌で協力してもらっております。

 

 

ツルマメに覆われたクロマツ

完全にツルマメに覆われたクロマツ

 

しかし厄介なのは「ツルマメ」です(右写真)。
クロマツ植栽木の空間なら良いのですが、クロマツに巻きついた「ツルマメ」の蔓(左巻きです!)は、手で丁寧にとらざるを得ません。クロマツに絡みつくケースの多い場所も結構あります。
ちなみに植物の生育に必要な外的な要因は、光、水分、二酸化炭素、養分で、それらが適当に供給される必要があります。特に陽樹であるクロマツにとっては光が重要で、草に覆われ被陰されると枯損にもつながるほど影響を受けやすいのです。

 

 

「ツルマメ」(マメ科ダイズ属)は、どこから来たかそのルールを調べてみました。
原産地はシベリアのアムール川流域から中国北東部地域と考えられていて、
日本への伝播は約2,000 年前とされ、
①中国東北部から朝鮮半島を経て東北地方に伝播された経路
②中国中部を経て九州地方に伝播された経路
③中国南部から台湾を経て沖縄に伝播された経路の3通りあるといわれています。
この時期、ビールに枝豆ですが、その枝豆の原種・野生種が「ツルマメ」なのです。
栽培発祥については不明ですが、古事記や日本書紀に大豆のことが記載されており、
この頃には普及していたのではないかと考えられています。
縄文時代にはドングリ類を主食としていたと言われていますが、
もしかしたら我々が枝豆で一杯やるように、夏にはツルマメで一杯やっていたのかもしれませんね?

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ヤブマメが絡みついたクロマツ

今回植栽地で蔓を良く見ると「ツルマメ」だけでなく「ヤブマメ」もはびこっていることがわかりました(左写真)。

わかりやすく下図に示しました。
見分け方は簡単、「ツルマメ」の葉は細長い卵形、一方「ヤブマメ」の葉は広い卵形の形状です。「ヤブマメ」はマメ科ヤブマメ属で、地上に鞘を持ったマメを作りますが、面白いのは地下に落花生のような豆を付けるのです。
次回には蔓を見つけたら「ツルマメ」か「ヤブマメ」か? 地下に豆を付けているか確かめるのも面白いでしょう。

 

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左:ツルマメ                 右:ヤブマメ

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