人工盛土の「海の森」(東京都)

2019年5月14日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

オイスカも2008年から植樹に参加協力させていただいている東京都「海の森」ですが、
5月25日に海の森倶楽部の育樹イベントで草刈りをすることになり、下見に行きました。                    人工盛土つながりで、ぜひ見たいと思っていました。
「海の森」はオリンピックの総合馬術競技の会場。「海の森」の麓はボート・カヌーの競技会場。
新木場駅を出て、夢の島や木材会社群、東京へリポート、ゲートブリッジを越え、
車で15分あまりですが、実際は相当遠いです。途中のきれいなゴルフ場や公園の下も、元はゴミ処分場。
この一帯は江東区という気がしますが、大田区との間で長い裁判を係争中のようです。
ゲートブリッジから島が見え、植栽に連続参加している法人会員「長門屋商店」の中島執行役員が
森になりつつある様を見て驚きの声。その南側には「最後の廃棄物処分場」と言われている場所。

海の森のすぐ横で植栽基盤の土壌が作られています

海の森のすぐ横で植栽基盤の土壌が作られています


「海の森」の敷地面積は約90ha。植付面積は約50ha。壮観です。
1973年~1987年の都内のゴミが、「サンドイッチ構造」で覆土に挟まれ、その上に、建設発生土と優良土、都内の公園・街路樹などから出た枝葉で作った堆肥を混ぜた植栽基盤土壌が1.5mの厚さ。標高約30m。場所ごとにゾーンニングした上で、一部クロマツ、主に多くの種類の常緑・落葉広葉樹が植えられています。
東北の人工盛土植栽基盤と共通点は多々。
防風垣は南風を第1に防御する構造に見えました。つい北風を思ってしまいますが、想像するに、台風と春先の南風が最も悪さをするのでは?

防風垣は南風を第1に防御する構造に見えました。つい北風を思ってしまいますが、想像するに、台風と春先の南風が最も悪さをするのでは?


風対策としては、南向きに20m間隔、高さ2mの防風ネット5㎜径を配列。
建設発生土の代表的なものは、地下鉄工事など。土質は実にさまざまでしょう。
頂上にまで斑状にアシが生えていました。滞水対策の溝切りも多々あり、遊水地もある。
広大な面積ですから、部分的には、重機の踏圧による生育不良や滞水も発生もやむを得ないでしょう。
 
植栽初年度の2008年、2012年などは申し分ない生育。
2012年植栽地。北側の風衝地。樹高は2mを越え、一部では広葉樹の除伐も行われていた。

2012年植栽地。北側の風衝地。樹高は2mを越え、一部では広葉樹の除伐も行われていた。


風衝地の2014年植栽のクロマツは、ざっと樹高1.4m、根元径4㎝。広葉樹樹高も1.4m。2012年クロマツは樹高2m、根元径6㎝。
「植えた木がよく育っていますね」(オイスカ首都圏支部藤田事務局長)
「最初はなかなか成長してくれないんです。でも何年かすると一気に伸びてきて」
(都港湾局海上公園課ご担当)
「私たちのところでも同じです」(吉田)
「この広葉樹も間引くのですか?」(東京中央木材市場㈱ 飯島社長)
「はい、もう除伐しています。あとで見てもらえますよ」(都)
 
はじめてオリンピックを身近に感じることができました。
「吉田さん、ゲートウェイじゃなくて、ゲートブリッジ」と中島さん。最近は東京をわかってない。

「吉田さん、ゲートウェイじゃなくて、ゲートブリッジ」と中島さん。最近は東京をわかってない。


本当に丁寧に教えていただき、東京都のご担当に御礼申し上げます。
ゲートブリッジから見える「海の森」

ゲートブリッジから見える「海の森」

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