根踏み

2017年11月18日( カテゴリー: 現場レポート )

10月末の台風の跡は、一部の盛土崩壊・防風垣のズレ・滞水と若干の植栽木流出。
ここまでは十分考えられることでしたが、もう一つ。
植栽3・4年の根元周りに、ときに指一本入るような穴が見られたこと。
風で回されたのでしょう。他地区では植栽直後のものから見られました。
土壌の影響、支根の育ち具合なのか、場所が決まっているものの無視できない数。
ざっと見て、5・6・9区に多い感じを受けました。

こういうものが時々あるから手ぶらでは「仕事」にならない

こういうものが時々あるから手ぶらでは「仕事」にならない

真っ先に浮かんだのが、2013年に襟裳で知った「根踏み」という「作業」。
当地では「春先に鍬をもって、真っ先に森林組合がやる仕事」。
今まで名取では必要に迫られることはありませんでした。

根元を足で挟んで踏むと「役に立った感」がある。

根元を足で挟んで踏むと「役に立った感」がある

報告すると、佐々木統括はすぐ見に行きました。
「根が切られるかもしれない」
「お前、下手なこと言うなよ。支柱指すとしたら、苗木代より高いからな」
実際、竹代が馬鹿にならないし、篠竹程度で済むわけはない。
「春先でも間に合いますか?」
「間に合う」

実態調査も年内にまず1回。
できれば、11月のモニタリング調査時と、最終ボランティアの日に。
春先のボランティアの仕事が増えるかもしれません。

「ニセアカシア?ありますよ。でも枯れてしまいます」
「ツルマメ??切ると白い液が出るのはありますけど。ツル類は見つけたら即切ります」
襟裳では、雑草・雑木・ツルとの戦い方の基本は同じでも、相手が違います。
下草刈りの相手は「何と言っても笹とアキグミ」とのこと。
今年も何度宮城に出張に行っても、他を見るゆとりはありませんでした。
毎年冬、ようやく繰り出します。日暮れが早いのがいつも残念。

全体的には良好。
しかし、中には課題が。
葛の根の太さ、ニセアカシアの根元の太さ、法面下までの下刈の詰めの甘さ。
一部はそういう場所があり、繁茂の温床になっている。
やはり、大変です。

ツルマメを野放しにするとこうなる・・・
もし苗木屋さんが見てしまったら、廃業したくなるでしょう。
引っ張るとわかりますが、束になって強い力で巻き付きます。
マツを引きずり倒すような感じです。

岩沼 (149)

葛・ニセアカシアは、空中戦で、制空権を奪い合っているかのよう。
マツは防風垣を抜ける高さになりつつありますが、空中戦の下。
空は快晴。夕方でもないのにマツが見えないです。

DSC_0158DSC_0160

彼らと戦うべきは誰なのでしょうか?
もちろん先頭で仕切るのは林業行政であることは間違いないです。
今のうちに、提案型施業で重点箇所を割り出し、境界ギリギリから法面含め、
2回刈り対象地を洗い出して対処しなければ、全てが手遅れになる。

もし、協定に手を挙げた民間側が、法面は行政の仕事と言うなら、
協定を正しく説明し、進んでギリギリまで攻めるよう遠慮せず頼んでほしいです。
官民協働でもっと必死で戦って、沿岸全体を及第点まで持って行かないと。

ちゃんと植えないと・・・

2017年11月16日( カテゴリー: 海岸林あれこれ )

襟裳から戻り、少しだけ他地区を歩きました。
全体的に順調かつハイペースで海岸林植栽が進んでいると思いました。
防風垣などの設備のおかげで、活着率も順調。

しかし、いくつかの場所で、秋植えのリスクを思い知らされました。
秋ですから、ほぼ発根しません。その最中、10月末に台風が来たわけです。
でも、運が悪かったとは思いませんでした。

岩沼 (125)岩沼 (131)

ちゃんと仕事した場所が想像以上に多いだけに、悪い場所が目立つ。
看板が出ていますから、明らかにプロが植えた場所と、市民が植えた場所と
区別がつきますが、結果も明白。穴の掘り方が甘く、踏み方も違ったと思います。
傾向として、深植えではなく、浅植えが多く、中には風に晒され培養土がむき出し。
風が巻いたのでしょう、苗は四方八方に向いて倒れている。
苗木屋さんが見たら怒るでしょう。寒くても、今すぐ直せば、まだ復活できる。

岩沼 (136)

ちょっとした土壌、諸条件の違いもあります。
それによって、植え方の指示が微妙に違います。
指導が悪いと言いがちですが、聞く側の問題でもあるような・・・
同じ人が同じ誤りを続けるというのもよくわかりました。

名取の植樹祭では、森林組合から「ほとんどやり直しはない」と毎年言われてます。
もし正しくなかったら、現行犯で、即その場で直すように言っています。
誰が何班の指導をしたかも、身内同士全員がわかりますし。
我々の来年の場所は難しい場所。明日は我が身。
来春、森林組合と見に来ようと思いました。
佐々木統括からも「その場所をしっかり覚えておけ」と言われています。
観察して学べということでしょう。

防風垣は朽ち始めても・・・

2017年11月15日( カテゴリー: 現場レポート )

2013年秋、盛土・防風垣・静砂垣が完成。
宮城のスギ間伐材の半割、防腐加工ナシです。
4年で防風垣が朽ち始めてきました。
肝心の防風効果は問題ありません。
一番最初に設置された2014・15年植栽地では、
防風垣に上る時は気を付けて場所を選ばねばなりません。
上るために、座るためにあるわけではないので、大事に扱わねばならないし、
来年は、諸注意、KY(危険予知)の指導事項にも加えねば・・・

この場所が折れやすい

この場所が折れやすい

たとえ朽ち始めても、当分の間、その防風効果に頼る必要があります。
ですが、いつか撤去しなければならないだろうと。

ですが、簡単に撤去を口にするのも憚られます。
先日、マツが下敷きになっている箇所80mだけ撤去させていただきました。
解体・集積に2人で3日間。高さ2m×10mとトラック1台分に相当。
ボルトはまだ錆びていないので何とか抜いて保管してあります。
ボルト1本でも私たちの所有ではありません。

集積するとこういう量になる

集積するとこういう量になる

そのままだとすると、先々の作業・本数調整伐の障害になり、ボルトも錆びて危ない。
林内集積だとすると、上手に置かないと作業の障害。富栄養化となりマツにもよろしくない。
林外搬出だとすると、誰が処分の当事者になるのか。常識的に考えれば地権者でしょうが、
人件費・処分費というコストが問題。被災地全体で考えれば、相当な額。

撤去が検討されている他県の防風被害跡地にて

撤去が検討されている他県の防風被害跡地にて

小林さんの「省太のつぶやき」にもありましたが、
おおらかに、気を長く持って、じっくり話し合いたいと思います。

えりも岬海岸林は事業開始から64年。
「終わった治山」と思られがちだそうですが、試行錯誤、まさに現在進行形。
目下、着手したばかりの我々からすれば、現場の基本に溢れています。

タイトルは、襟裳で何度か聞いた言葉。

名取でも、これが海岸林造成の基本環境です。
すべて整えてから植付に取り掛かると。

先月震災以来2度目の、最多月間降水量355㎜超でした。
数日で250㎜の降雨は、今後も起こる。悪い意味の基準にしなければならないと思いました。
「降った雨の8割は排水が必要。蒸発と浸透はそれぞれ1割」と佐々木統括は言います。
えりもの排水溝は、森林組合が実踏して設計。掘削深は場所によっては1.5mかそれ以上。
名取では、作業道を1.5m掘り下げ、排水溝代わりにする機転で、当面の難は逃れました。
しかし、その分、作業道を事実上捨てることになりました。

名取を含む東北では、えりもで開発されたものとほぼ同形の防風垣、静砂垣は充実しています。
今年も99.8%という高い活着率は、これらのおかげだと思います。
相当先の話ですが、任務を全うして朽ち果てた後どう処理されるのかが気になっています。
量が半端ではない。防風垣80mだけでトラック1台。
えりもは、森林組合がチップ工場を持っており、バイオマス発電所が買う販路があります。

えりもは四方八方から強風が吹くため、場所によっては防風垣は六角形に設置

えりもは四方八方から強風が吹くため、
場所によっては防風垣は六角形に設置

林業に道は不可欠です。
作業道に関しては、名取の場合、水没しましたが、それでもサイクリング道があります。
でも、それを存分に使うことができるのか非常に心配。
東西の道の不足を訴えていますが・・・

えりもは各林小班毎に四方を車が通れる

えりもは各林小班毎に四方を車が通れる

粘り強くお願いしようと思いながら帰ってきました。

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